運命考察1 予言系



命考察1 予言系の運命

 深淵のPCの運命の決定にあたり、扱いに困るものと言うのは実は結構あります。特に問題になりやすい(種類が多いのもその一因でしょう)のが、予言系の運命です。
 深淵のゲームマスターをある程度やりこなせば、この言葉をいつか聞く事になるのは、間違いないでしょう。
 「ねぇマスター、この○○の予言ってさあ、いったい誰に言われたの?」  そんなことは、プレイヤーに決めて欲しいというのが私の本音です。しかしながら、たしかにその判断の材料が少ない現状では、「自分で考えろ」というのはいささか酷な言葉かもしれません。そこで、いくつかあり得る可能性について考察してみようと言うのが本稿の趣旨です。

1、通りすがりの占い師に

 まあ、一番無難な選択肢ではあります。しかしながら、この選択をした場合、PCはあまりこの運命を重視しないであろう、という推測がなり立ちます。予言系の運命の場合、おいしい展開として予言が成就しないようにあらがうというのがあるのですが、その展開がとりにくくなるというのはネックだといえるでしょう。

 蛇足ながら、一つ指摘をしておきます。それはPCの夢占い師も予言を他者に与えることができる、ということです。元々夢占い師はサブマスター的なテンプレートなんですが、予言をするという形でシナリオに深みを持たす事は面白い挑戦であると言えるでしょう。マスターの力量を見極めた上で(夢占い師ほどマスターの力量に面白さが左右されるテンプレートはいません)試みてください。

2、PCは知らない

 1と並んで最も有力な選択の一つです。この場合、知っているのはプレイヤーだけであり、知っていながら予言の方向へいかざるえない、という一種「クトゥルフ」的な楽しみが出来ます。
 この選択を選ぶ場合、PCの設定を決めるのにこの運命はあまり立ちいれないので、もう一つの運命がPCの描写において有力な材料となり得るような強力なものである事が望ましくなります。

 亜流として、プレイヤーも知らない、と言うやり方もあり得ますが、私はおすすめしません(マスター負担が高くなるからです)。

3、実は誰にも予言などされていない

 単にPCが思い込んでいるだけ、というのも十分あり得ます。親殺しの予言なんかの場合、PCが無意識下で両親に殺意を抱いており、その心理的合理化のために、予言を受けたと思い込んでいるというのは、可能性としてあり得るでしょうし、話としても面白いと言えます。

4、夢の中で

 この場合、実際に誰か(魔族等)に言われているのか、本人の無意識が夢で表現されているだけなのか、の2つの可能性があります。いずれにせよ、この場合ゲーム中の夢歩きにおいてくり返し予言の描写を行わねばならないでしょう。

5、高名な占い師に、闇の中から予言の声が響くetc

 いろいろなパターンがあるでしょうが、予言に重みを持たせ、周囲の人間も予言のことを知っているという点で、実質的な効果は最大でしょう。予言をシナリオの中心に据えるときの選択肢です。


 まあ、もうわかったでしょうが予言系の運命の場合、
・PCはその運命を知っているか?
・PCはどれぐらいそれを重視しているか?
・周囲の人間は予言を知っているか?
の3点の決定がゲームを行うにあたっての必須事項であると言えます。その判断材料として、予言がなされた状況が重要になってくるわけです。