深淵リプレイ−剣−


 



目次
0−はじめに
1−オープニング
2−出会い―旅路の出来事―
3−ざわめく村― 二日目 ―
4−夕闇に対峙するもの― 二日目 夕方 ―
5−夜の詩−二日目 夜 −
6−戦いのとき−三日目−
7−エンディング


0 はじめに


このリプレイは私こと在胡が2001年9月に某所で行った深淵の即興詩人型(PCの運命からアドリブでシナリオを作りプレイするタイプ)のセッションの記録です。最初このリプレイは同人誌という形で2002年3月のJGCWで配布されました(同人誌本体は現在在庫切れ)。以下のリプレイはその原稿を修正の上、転載したものです。

PC紹介:
PC1:フロウリー=ゴーチェ
テンプレート:蔦の騎士
運命:誓いの言葉・滅んだ貴族の子孫
古代の神々の神殿”古王神殿”に使えるえる若き騎士。神殿に仕える若い舞姫カレン(テンプレート:古王神殿の舞姫、NPC)と婚約者である。
 幼いころより不遇であったため家庭というものに強い憧れを持っており、カレンとの結婚によりその夢が果たされる事を望んでいる。若さゆえかそれとも過去の境遇のせいであるのか、カレンを偶像的に理想化している。一人の人間としてではなく、「恋人」あるいは「妻」としてしか自分を見てくれない不老リーにカレンは不満を覚えつつある(運命を見たプレイヤーからの提案の設定。こういう設定を発想できるのは女性プレイヤーならではだと思います)。


PC2:アプレシア=ローディック
テンプレート:獅子の戦姫
運命:抑えきれない感情・傍観者の記憶
魔族教団「獅子王教団乱mです。幼いころバーサーク化した父に母親を目の前で切り殺され、その事が今も脳裏に残っています。信者の妻という道を選ばず教団の女戦士となったのは、過去のその事件が理由となっています(運命:傍観者の記憶からの設定)。
激しい訓練を経たため、自分の実力に自信を持っており、侮辱されることを許すことができません(運命:抑えきれない感情からの設定)


PC3:マーブル=ライカッソ
テンプレート:異端イェロマーグ派の吟遊詩人
運命:内なる他者・死の予言(テンプレート装備の運命:王者の相は寿命4年でキャンセル)
かって神々さえも滅ぼした魔族。彼らから直接に神話時代の物語を収集する事を使命とする異端イェロマーグ派に属する吟遊詩人。体内に自分以外のもう一つの意識を棲まわせている。その「何か」が原因で体負担がかかり、あと数年の命と宣告されている(二つの運命からの設定)。
 自分の生きた証を物語として残そうと、なお一層苛烈に魔族を追い求めている。



1  オープニング
GM:このシナリオのテーマカードは、
《黒の風虎》
『風の匂いがする。季節が変わっていく。狩猟に備えるとしよう』
です。それでは各自、オープニングのカードを出してください。

(フロウリーのオープニングの夢歩き)

『未来をみよ。我はここに世界を編む』
GM:季節は春。騎士フロウリーと舞姫カレンの二人は、辺境のある村を目指して街道を旅しています。カレンは村で行なわれる豊作を祈る祭りで舞を舞うために、あなたは彼女の護衛として村を目指しています。
フロウリー:馬車の御者をしながら、後ろのカレンにいろいろと話しかけます。
GM:しばらく進むと目の前に、美しい泉が見えてくる。
フロウリー:「カレン。泉がみえたよ。少し疲れただろう。ここで降りて少し休もう。のどが乾いているよね?」
GM:そして、カレンが「そうね」と言う前に、あなたは馬車をとめてしまうわけですね。
フロウリー:そうそう(笑)。
GM:彼女は馬車を降り、「まあ、きれいな泉」と言う。
フロウリー:「ああ。そうだね。さあ、ここに座って」と言い、持っていたハンカチを敷く。泉の水を一口すくって、「ああ、とてもおいしい水だ。飲んでごらんよ」
GM:その時あなたの脳裏に、昔、近くの泉に母と遊びに行った時の思い出がよぎる。冷たい水に口をつけるカレンに、母の面影が重なる。「いつか僕はあのときの光景を取り戻してみせる。カレンと一緒ならきっと取り戻せるはずだ」 あなたは心の中でそうつぶやく。
フロウリー:まだ水を飲んでいる彼女の手を、ぐっと握って言う。「いつか共になくしたものを取り戻そう」 しかし、その言葉に彼女がどう答えたかはわからない。自分の考えに没頭して耳に入っていないから(笑)。
『未来を見よ。我はここに世界を編む』


(マーブルのオープニングの夢歩き)
『試すことを恐れてはいけない。未知の世界にのみ存在するものもある』
GM:あなたは、旅の途中の宿で夢を見ています。故郷を旅立たねばならなくなった、あの時の事を。最近、頭痛がひどくなり時々記憶がとぶことのあるあなたは、街の医師のもとに訪れました。
マーブル:「先生。少し、最近調子が悪いようなんです」
GM:そして、数日後。検査のあと、医師はあなたにこう言いました。「マーヴルさん。失礼ですが、ご家族は?」
マーブル:「いえ。親も去年死に、今は天涯孤独の身です」
GM:「…。実は残念な事をお知らせしなくてはなりません。あなたはおそらくもう、長くはありません」
マーブル:「…え? もう一度、お願いします」
GM:「あなたの中に何かが巣くっています。魔物か、何かはよくわかりません。ひとつだけわかっていることは、こういう状態になった方は記憶が奪われる時が日々長くなっていき、いつしか全てを…。お気の毒です」
そう告げられたのが一年前のことです。自らの命が長くないと告げられたあなたは自分の生きた証として、伝承に歪められていない真の叙事詩を作りたいと思い、諸国を放浪することにしました。
マーブル:「未知の世界に何かがあるならばそれを知って死にたい。そしてそれを歌にして語りたい」それが僕の生きた証になるだろうから。
GM:記憶を失う時間が、最近、とみに長くなりつつあります。
『試すことを恐れてはいけない。未知の世界にのみ存在するものもある』

(アプレシアのオープニングの夢歩き)
『浄化せよ。浄化せよ。浄化せよ。真理はひとつなのだ』
GM:あなたは9年前の事を思い出しています。あなたを育ててくれた教団の司祭に呼び出さた時の事を。司祭の部屋に入ると、いつもにこやかにあなたの世話してくれていた司祭が、険しい表情をしています。「アプレシア。おまえももう15になった。そうだな?」
アプレシア:「はい」
GM:「知っての通り、我が教団がおまえたちを育ててきたのは、慈善教団だから、という訳ではない。それはわかっておるな?」
アプレシア:「わかっております」
GM:「おまえは、選ばねばならん。二つの道のどちらかを。さあ、選ぶがよい。母として教団に仕え、戦士たる夫を影で支える身となるか。戦士として、教団を害するものと戦う一本の剣となるか」
アプレシア:家事の道具でなく、剣の方をしっかりと握って、「剣を」と。
GM:その時、あなたの脳裏に、目の前で死んでいった母の光景がよぎる。もし、あの時のことがなければ、今、剣の道を選ばなかったのではなかろうか。
『浄化せよ。浄化せよ。浄化せよ。真理はひとつなのだ』

2 出会い
―旅路の出来事―

GM:では、アプレシアから始めましょう。あなたは獅子王教団の女戦士である『獅子の戦姫』として、貴族の護衛をしたり、教団の使者となり各地に赴いたりしています。そんなある日、教団の司祭に呼ばれました。(※1)
アプレシア:「なんでございましょう?」
GM:「おお、無事帰ったか、アプレシア。先日の戦場は苛烈であったな。そこから無事に生きて帰るとは、優秀な戦士になったものだ。さて、戻って早々なのだが、またひとつ、おまえに任務を命ずる」
アプレシア:「なんなりと」
GM:「知っての通り、わが教団はダリンゴース伯爵領に属しており、かの国に便宜をはかることによって協力を得ている」
アプレシア:「はい」
GM:「おまえには、隣国ヴァクトンの辺境の村に赴き、ダリンゴースに仕える魔道師の助けをしてもらいたい。詳しい事は村を訪れてからその魔道師の指示を仰ぐが良い」と言って、そこまでの地図を与えてくれる。
アプレシア:「わかりました」と答えて受け取ろう。
GM:旅装束一式をもらい、あなたは旅立った。目的の村まで一週間かかります。

GM:了解。その頃一方、フロウリーとカレンの二人組です。あと一日もすれば、目指す村に着くだろう山間の道を馬車で進んでいます。だんだんと夕暮れも深まり、空が赤く染まりだしてきています。
フロウリー:急いだ方が良さそうですか? それともこの辺りで野営をした方が良よさそうですか?
GM:微妙な所ですね。急げば夜中には着くでしょうが。さて、霧がだんだんと深くなっていきます。しばらく進むと、前方に山小屋が見えてきます。街道沿いに設けられている、旅人の非難用の小屋ですね。
フロウリー:「カレン、あそこに山小屋がある。今日はあそこに泊まろう」
GM:「そうね、フロウ」と答えます。
フロウリー:とりあえずその山小屋の前で馬車をとめて、彼女の手をひいて、馬車から出してあげます。
GM:彼女を馬車から降ろそうとした瞬間に夢歩きしてください。
フロウリー:13で成功。
『迷える魂あり。迷い迷って迷いをさらに広げる。我、これを滅す』
GM:カレンと知り合ったばかりの頃、カレンは「そんなに丁寧にして頂かなくても私ひとりで大丈夫です」とよく言っていました。しかし最近は、言っても無駄だと思ったのか、素直にあなたの手にひかれています。しかし、あなたは、カレンがどんどん自分に心を開いている、そう思い込んでいます。
『迷える魂あり。迷い迷って迷いをさらに広げる。我、これを滅す』

フロウリー:では、山小屋に先客がいないか確認するために、扉をコンコン、とノックします。

GM:そこでアプレシアのシーンに戻ります。あなたは今、街道の途中です。あと一日ほどで村に着けそうな所で山小屋を発見し、そこで一夜の宿をとろうと準備しています。その時、扉を叩く音が聞こえます。
アプレシア:うかつに返事はしない。まず、剣を長いコートの下に引き寄せて、いつでも抜ける状態にしてから「はい」と答える。
GM:中から返事がありました。若い女性の声です。
フロウリー:「ああ、先客がおられたのか。私はゴーチェという旅の騎士です。今、ある方を護衛しながら旅をしている所です。入ってもよろしいでしょうか?」
アプレシア:「…どうぞ」
フロウリー:では扉を開けて、小屋に入る。
GM:お互い自分がどう見えるかを描写してください。
フロウリー:若い騎士。
アプレシア:旅なれた様子の薬師の格好をしています。
GM:騎士の後ろから「失礼」と言って、もう一人、若い妙齢の17、18歳くらいに見える女性が入ってくる。「一晩の間ですが、お世話になります」 地域知識でチェックしてみて。目標値10。
アプレシア:はい、成功。
GM:このヴァクトンという国には『古王神殿』というものがあります。その神殿の舞姫のようです。
アプレシア:それには気づかないふりで、「まあ、これはずいぶんと美しい方ですねえ。私のような田舎者でよろしければ一晩の間、お話の相手をいたしますが」
GM:「いえいえ、そんな」
フロウリー:私は彼女の分の寝床を用意しましょう。「ところで、ご婦人。お名前をきいてよろしいかな。私はフロウリー=ゴーチェ」
アプレシア:「アップルと申します」偽名ですけど。
フロウリー:「アップル殿か。男が部屋の中にいても不自由だろうから、私は扉の外で護衛をしていますよ」
アップル「そんなにお気遣いなく。決まった人のおられる男性は男性ではございませんわ。はっはっは」と田舎娘の振りして笑います。
フロウリー:霧はまだ深いですか?
GM:外を見ると、霧はさらに深まっています。
フロウリー:薪を拾うのは無理か。では、身の周りのことだけしておきます。

GM:では、マーヴルのシーンに移ります。
あなたは旅の途中、たまたま訪れた村で一夜の宿をとっています。時間は夕方頃ですが、今、何をしていますか?
マーブル:酒場で歌を歌ってます。カードを使って歌ってもいいですか?
GM:カードで歌のイメージを示すんですね。いいですよ。


マーブル:「『融合せよ。汝の生きざまを我に分け与えよ』我はいま、深い谷間を歩いている。ここから救い出してくれる者、我に真実を与えてくれる者。汝の生き様を、我に分け与えよ。その生き様を、我は語らん」という魔族を求める歌を歌います。
GM:歌っている途中で、あなたの脳裏にこんな声が響き渡ります。「お前の求めるものをやろう」
本来ならここで意志抵抗の判定を行うのですが、あなたが求めたことなので抵抗する余地はありません
マーブル:はっと曲を止めて、辺りを見渡します。
GM:その声の主は見当たりません。しかしさらに声が聞こえてきます。「その為に、少し体を借りるぞ」あなたの意識は不意に、遠のいていきます。意志で抵抗判定してください。目標値15。
マーブル:一応抵抗する意志は見せておきたい。…はい、失敗(笑)。
GM:「どうしたんだい、吟遊詩人さん」
「いや、たいした事はない。ちょっとめまいがしてな。では、歌の続きを」そんな声を聞きながら、あなたの意識は遠くなっていくのでした。

GM:山小屋のシーンに戻しましょう。何かします?
フロウリー:そうですね。アップルといろいろ話をしますが、そろそろ、きかれもしないことまで話し始めます(笑)。自分たちがなぜ旅しているのかとか、カレンとは恋人同士であるとか、自分はカレンをどう思っているのかとかをぺらぺらと。
GM:お互い恋人だと思っているのですよね??
フロウリー:私は熱愛だと思いこんでいる。「彼女のこと好きな分、彼女も自分の事が好きであるはず」 話をすればするほど、周りの話を聞かずに一人で語るタイプだというのが誰の目にも明らかになってきます(笑)。
アプレシア:自分自身のことを語らなくていいので、かえって好都合(笑)。「まあ、そうですかあ」と、語尾に方言を混ぜながら話す。「お子様ができた時には、お呼びくださいねえ」
フロウリー:「いやー、ありがとう、ありがとう」かなりいい気になってる(笑)。

GM:さて、夜も更けてきました。全員、夜の夢歩きをしてください。
アプレシア:失敗です(後の二人は成功)。

(フロウリーの夢歩き)
『例え永遠に見えても全てのものに必ず終わりが存在する』
GM:今あなたはカレンと共に、失われたものを取り返すかのような温かい日々を送っている。この幸せがいつまでも続くんだ。そう思って安らかな眠りについたあなたの耳に、馬の大きな蹄の音が聞こえてきます。その蹄の音は、山小屋に近づいてきているようです。
フロウリー:彼女達を起こさないようにそっと身を起こす。
GM:アプレシアは、起きるかどうかチェックしてください。意志で判定します。目標値は10。
アプレシア:カードを足して成功にします。
GM:では、目を覚ました。小屋の外では大きな蹄の音がしています。
アプレシア:とりあえず、起き上がる。
GM:フロウリーは、薬師が身を起こした事に気づいた。
フロウリー:振り向いて「私がまず様子を見てきますから」と言う。立てかけておいた剣と盾を持って外に出ます。
GM:了解。外に出ると小屋の周りは深い霧で覆われており、1m先のものさえぼんやりとしか見ることができません。蹄の音はだんだんと近づいてきます。
フロウリー:小屋から出た後、扉を閉めます。音のする方向へ少し歩く。
GM:どんどん音が大きくなります。何だ、この大きな蹄の音は、とあなたは思いました。
アプレシア:私は鎧に着替えます。
GM:では、鎧に着替える音で目が覚めたカレンが訊いてきます。「何にかあったのですか」
アプレシア:「大丈夫ですよ。じっとしていてください」
GM:さて、武器を構えつつ、音のする方にむかって歩いていったフロウリーは、霧の中から出てきたモノと目を合わせる。まず、影響値に対して意志抵抗をしてださい。目標値18。(※2)
フロウリー:足りない。うーん…今回は失敗にしておきましょう。
GM:その霧の中からは、あなたの馬の一回りほど大きな黒い馬が姿を現します。
フロウリー:げっ。
GM:その黒い馬は体中を蛇におおわれ…。
フロウリー:ぎゃああ!


GM:その馬とあなたは目を合わせてしまいます。それを見た瞬間にあなたは、相手に威圧され、身動きできなくなります。
アプレシアさん、鎧を着終わった頃、外から彼の息を飲む声が聞こえます。
アプレシア:まずカレンを見る。外の様子に気づいたかな?
GM:ええ、気づいたようだ。あなたが目線を向けると、彼女は懐から短剣を取り出し、「行きましょう」とあなたの顔を見る。
アプレシア:「あなたは、ここにいた方が良いのでは。私が行ってきましょうか?」
GM:「いえ、あなたも私もか弱い女性にかわりありませんから」(笑)。あなたが戦士だと知らないからね。「あなた一人に無理をさせるわけにはいきません」
アプレシア:「ただのお嬢様かと思っていたけど。わかった。ただし、自分の身は自分で守りなさい」
GM:うなずいて、扉の方へ行く。
アプレシア:警戒しながら扉を開けて、霧の中へ進む。
GM:意志抵抗してください。目標値17です。
アプレシア:失敗。12。17は出ないですね。動けなくなる。
GM:あなた達二人は恐怖に怯えます。さて、あなた達の近くでその黒い馬は脚をとめます。騎士の目の前で、しゅうしゅうと蛇の頭が鎌首をもたげる。
フロウリー:怖い〜。しゃべることもできない?
GM:麻痺していますからね。足をとめた馬は、重々しく口を開き、こう言います。「旅人か」
フロウリー:答えようにも麻痺してるし(笑)。あわあわと口をぱくぱくさせる。
GM:「我の気配に威圧されておるのか」
アプレシア:縁故『「戦士のプライド』を足して振りなおしていい?「我は臆病者ではない」と言いながら。(※3)
GM:なるほど。判定をどうぞ。目標値は18です。(アプレシア/今度は成功)。なら麻痺から抜け出せましたが、どう行動します?
アプレシア:問い掛けられているんだから、まず答える。「そう。我らは旅人だ」
GM:「ほう、おまえは動けるのか」
アプレシア:「貴殿は一体何者か?いたずらに我らをいたぶるつもりか?」
GM:「いや。そうではない。それよりも、命短き人の子よ。もしおまえ達がこの場を去ることができるなら、疾くこの地から離れよ。この先の村には立ち寄るな」
アプレシア:「どういうことだ?」
GM:「これ以上話す義務はない。よいな、忠告したぞ。命が惜しくば立ち去れ。あの村はもうすぐ滅ぶ」
アプレシア:「もうすぐ?いつ、滅ぶというのだ?」
GM:「それを知ってどうする?」黒い馬は、歩きだしながら言う。
アプレシア:「私はその村に行かねばならぬ。戦士の任務ゆえ」
GM:「ほう、おまえは戦士なのか。ならば教えてやろう。あと三日すれば十二と一つの星座があの村を覆う。すでに牧人までの魔法陣は描かれた」そう言って、馬は去っていきます。そして、馬が去ったあと、あなた達の束縛は解けます。
フロウリー:はっと気がついて、「い、いい、今のは一体…」
GM:魔法知識があるなら目標値22で判定をどうぞ。
フロウリー:失敗。わからないな。だめだね。

GM:はい、ではそろそろマーブルの方へ行きましょう。
(マーヴルの夢歩き)
『今一時の我慢。いつか戻る日だけを夢見て今しばらく待つとしよう』
GM:夢の中、あなたは暗闇の中に、ある光景を見ます。それはあなたがやっていることのようです。しかし、これは僕がやっていることであって欲しくはない、と思うような光景でした。見たこともない、四十くらいの老人の胸に、手に持ったナイフを深々とつきたて、相手を切り刻んでいるのです。闇の中、そんな光景がちらり、ちらりと見えます。
マーブル:「なんだろうこれは。何故こんな光景を見ているんだろう」
そう思いながら、あなたの意識は再び闇の中へ落ちていきます。
『今一時の我慢。いつか戻る日だけを夢見て今しばらく待つとしよう』

GM:さて、その頃の山小屋に話を戻しましょう。あの馬が消えたあと、霧は晴れ、夜空の星はきらめきを取り戻しています。
フロウリー:カレンの様子を見ます。彼女は故郷を失っているので、村が滅ぶという話を聞いて、ショックを受けているかもしれないし。
GM:体をすごく震わせている。「あれは、あれは、…」と何かつぶやいています。
フロウリー:じゃあ、肩をきゅって抱きしめる。「一体どうしたんだい? 怖かったのはわかるけれど」
GM:「ちがうの。…昔、私の故郷の村が滅んでしまった、という話はしたことがあったわよね」
フロウリー:「ああ、何度も聞いたね。その度に僕達は、なくしたものを取り戻そう、と誓い合ったじゃないか」
GM:「今まで話した事はなかったけれど、私の村が滅んだとき、私は、あの馬を見たわ。私の村がどうやって滅んだのか、言ったことはなかったよね」
フロウリー:「ああ」
GM:「…あの馬が村で見かけられるようになって十日ほど経った頃、恐ろしい事が起こったの。夕暮れ時、村を嵐が襲い、その嵐の中、村中の人がどんどん老いていった。目の前で、父さんも母さんも枯れ木のようにやせ衰えて…」と言葉を詰まらせます。「私が今まであなたの求婚を何度ものばしてきたのは…」
フロウリー:「それは、僕が騎士として未熟だから…」
GM:「そうじゃないわ。私は本当はあなたに愛される資格などないの。私はあの時、逃げろという父さん母さんの声を聞いて、村の人を見捨てて逃げてしまった。もしあの時私に、一人でも二人でも村の人を助ける勇気があったら、私の他にも生き残った人がいたかもしれない。あの時の後悔がずっと私の心を掴んでいる。私だけが幸せになるわけにはいかないの」
フロウリー:彼女を抱きしめる。「やはり君は僕の思った通りの心の美しい女性だね。カレン、それで君はこれからどうしたいんだい?」
GM:「私は、父さんや母さんをあんな目に合わせたあの馬が憎い」 瞳を合わせて彼女は言う。「お願い。私の為に力を」
フロウリー:もう一度、先ほどの馬に出会った時の恐怖を思い出します。それを振り払うかのように、頭をぶんぶんと振って、「ああ、わかった。カレン、あの馬を倒して、君の後悔が晴れたら、そしたら、二人で温かい家庭を作ろう」
GM:「…私の中の父さんや母さんと別れを告げるまでは、まだその事を考える事はできない。返事は全てが終わった後では駄目かしら」
フロウリー:うなずく。
GM:さて、アプレシアさん。今の話、聞いてます?
フロウリー:話しているうちにどんどん声が大きくなっていると思う(笑)。
アプレシア:聞く気がなくても聞こえてしまう(笑)。
フロウリー:「カレン。とりあえず明日、村の古王神殿に行こう。あとは僕が調べる。そしてあの馬を見つけたら…きっと僕が倒してみせる」でも、彼女が寝た後、ず〜ん、と暗くなってます。「あんなこと言ったけれど、これからどうしよう…」

GM:では、マーヴルのシーンに戻ります。
気がつくと、あなたは見たことの無い部屋の中で立っています。部屋には窓があり、外には星空が見えています。あなたの手には短剣があり、その短剣は血に濡れています。そして、目の前には黒いローブを着た男が、胸から血がだくだくと流して倒れています。すでに事切れているようです。
マーブル:「なっ、なんだ、これは…。ちがう、違う、僕じゃない」そういって窓から飛び出します。飛び出せます?
GM:ここは建物の二階のようです。
マーブル:二階でもいい。飛び降ります。
GM:あなたは飛び降りて、地面に激しくたたきつけられます。カードの効果値一枚分のダメージです。…肩に多少怪我をしました。
マーブル:肩をおさえながらその場から走り去り、自分の宿に帰ります。そして自分の衣服を袋に詰め込み、血の匂いがなくなるまで体を洗います。「僕じゃない、僕じゃない、僕じゃない…」
GM:その時脳裏で、「これで止めることができるだろうか」とつぶやく声が聞こえました。しかし、それが何のことか、あなたにはわかりません。

(※1)獅子王教団:戦士の大公アロセスという魔族を信仰する戦士の教団。
この教団に属する男の兵士達は、教団秘伝の薬《獅子心》により戦場で恐怖を感じることなく、どんなに重傷でも死なずに戦い続けることができるため、狂戦士として恐れられている
(※2)影響値とは、魔族の持っている圧倒的な雰囲気を表現するための数値です。  影響値への判定に失敗すると様々なペナルティを受けます(恐怖に硬直、石化、狂乱等々)
(※3)寿命を1年消費することにより縁故『戦士のプライド』を足しています寿命を1年消費することで縁故の値をボーナスとして使用できるのです。。厳密には一度判定に失敗しているので具リ直せませんが、ここではルールを甘めに判定しました。


3  ざわめく村

― 二日目 ―


GM:では、朝方。フロウリーはアプレシアに起こされる。
アプレシア:「おはようございます」
フロウリー:「あ、アップルさんじゃないですか。一体何の御用ですか、こんな朝早くに」
アプレシア:カレンを見ながら、「彼女が眠っていないとできない話もあるので。あなた方はあの村へ行くのですか?」
フロウリー:「ええ。とりあえず、朝早くに古王神殿に彼女を届ける気ではありますが。その後は…少し調べ物をするつもりです」
アプレシア:「あのような化け物が出てきたというのに、それでも三日後に滅びるという村に向かうのですか?」
フロウリー:「…。お嬢さんこそ、このようなところにいては、薬の商いもできないでしょう。早く次の村に向かわれた方がよろしいのではないですか」
アプレシア:「私は、あの村に用事がありましてねえ」
フロウリー:「用事が?」
アプレシア:「ええ。知己がおりまして。まあ、彼女が大事なら逃げ出すことをおすすめいたしますよ」
フロウリー:考えこんだように、無言。
アプレシア:「それでは失礼」荷物をまとめて、先に旅立ちます。小屋を出るときつぶやきます。「その姿を見ただけで射すくめられた者に何ができるものか」ぱたん。
フロウリー:昨夜の事について考えます。牧人までの魔法陣がどうの、と言っていましたが、魔法知識で魔法陣を描くときの決まり事とかわかりますか?
GM:魔法知識で、目標値10。…成功ですね。一般的には、魔法陣は、中心となる星座が一つあり、その周囲を中心となる星座に関わりの深い三つの星座を配置して、さらにその外に十三星座が並ぶという配置になっています。牧人の星座は十三星座の十番目ですね。

フロウリー:ということはあと三つか。村に着いたら、どこかに魔法陣が描かれていないか探そう。
GM:しばらくして、カレンが起きてくる。「あの人はもう行ってしまったのですか?」
フロウリー:「ああ、そのようだね。さあ、僕達も古王神殿に行こう」
GM:「ええ」そして彼女はつぶやく。「私はもう逃げる訳にはいかない」

GM:では、シーンを村に戻しましょう。
朝方です。「マーヴルさん、起きていらっしゃいますか? 朝ごはんの用意ができておりますよ」
マーブル:ちょっとびくっとして「わ、わかった。すぐ行く」
GM:食堂に行くと、朝食の準備がされているテーブルに案内されます。「おはようございます。昨日は夕方から、どちらにお出かけだったんです。ずいぶん遅くまで外出しておられたようですが?」
マーブル:「あ、いや、少し竪琴の練習をね。村のまん中でやっていては、うるさいでしょう」
GM:「しかし、それは残念でしたな。昨日の夕方も『あの馬』が出たのですが。吟遊詩人殿にとっては、珍しい歌の題材になるかと思いましたが」
マーブル:「『あの馬』?」
GM:「ええ。実は、数日前から村のはずれで、奇妙な大きな黒い馬が何度か目撃されておるのですよ」
マーブル:「? 一体、どういう馬なんだ?」
GM:「いえ、なにか体中に蔦のようなものをまきつかせた馬だらしいんですがね。幻のようにふっと現れて、消えてしまうそうですよ」
マーブル:魔法知識で判定していい?
GM:どうぞ。…目標値は22です。
マーブル:…おお、6ゾロだ。振り足しで。カードを足して25。イェロマーグ派の吟遊詩人をなめちゃいけな〜い。
GM:では、このデータを読んでください(※1)。特に魔力を見ておいてください。
マーブル:…。ああ、なるほど。わかりました。
GM:あなたがそれを思い出している時も、宿屋の主人はのんきに話を続ける。「いや、わしらも変なものだなあ、危ないものじゃないのかなあ、と話していたのですが、村はずれの魔道師の先生が言うには、あれは別に悪いものでもないそうで。春になるとたまに見かけられる吉兆だという話でして。だから、わしらもまあ安心しているのですけどねえ」
マーブル:そこで、にやっと笑いましょう。「主人。今朝は少し気分がいいんだ。一曲弾いてみたいのだが、どうだろう?」
GM:「ああ、それはありがたいお話ですねえ。いやはや、優雅な朝食で、よろしいですな」
マーブル:(『狂気』のカードを出す)(GM/(ぼそり)…狂気かい(苦笑))達成値は11。「『いつかおまえは私を求めるだろう』我らは二人になった。その時おまえは私を内に封じ込めた。おまえは完全に封じたつもりだろう。しかし私は、ほんの少しだけ抜け出すことができる。いつか私は、おまえを求めるだろう。いつかおまえは、私を求めるだろう。そう、私の名は、狂気」
GM:「朝っぱらからなんて縁起の悪い歌を歌うんですかあ」…なんて歌を歌うんだ、全く…。


マーブル:「でもこの歌は景気がいい歌なのですよ」
GM:おいおい(苦笑)。(※2)「お話によると、本日、この宿を発たれるはずでしたね?」
マーブル:「いや。もう少し、この村にいることにします」にっこり笑いながら返事します。「できれば、その馬を見かけた場所を教えてはもらえないでしょうか」
GM:夕暮れ時になると村のはずれを走りまわっているという話です。
マーブル:そうなのか。じゃあ夕方までは村の中で魔法陣を探します。(※3)

GM:そんな会話がされている朝方。アプレシアが村に着きます。あなたの任務は、この村に住んでいる魔道師の手伝いをするように、という話でしたね。
アプレシア:はい。ちなみに、ここはどのような村ですか?
GM:普通の農村ですが、街道沿いにあるので、宿屋なども整備されています。また、ここはヴァクトンという国に属しているので、国で信仰されている古王神殿があります。また中央の方に大きい家屋が、村はずれに大きな館があるのが見えます。
アプレシア:では、村はずれの大きな館の方へ向かいます。
GM:村に入ると、農民が、「おや、旅の薬師の方ですか。ようこそおいでなさりましたねえ」と農作業をしながら声をかけてくるよ。
アプレシア:「ありがとうございますねえ。あの、ここに住んでいる魔術師さんに薬草届けてくれって言われて来たんですよ。どこにおられるのでしょうかねえ?」
GM:「ああ、あの魔道師さんですか。それだったら、あの村はずれの大きな館に住んでおられますよ」
アプレシア:「ああ。あれでございますかあ。すいませんねえ」
GM:「よろしくお伝えてください。あの方には村の者もずいぶんお世話になってますので」
アプレシア:「はあ、お伝えしておきますねえ」と言って去る。
GM:では館に近づきます。館は二階建てになっており、村長の館よりも大きい気がしますね。
アプレシア:どんどん、と扉を叩く。
GM:返事はない。ふと見ると、二階の一室の窓がぶちやぶられています。
アプレシア:館に入ってみます。
GM:反応で判定、目標値10でどうぞ。
アプレシア:…考えられる限り最悪の事態が。ファンブル(大失敗)しました。
GM:(ええっ?)(※4)とりあえず、あなたは二階の方から血の匂いがするのを感じました。そこで、あなたは駆け出します。そして、二階の部屋に入ると、ひとりの男が胸から血を流して倒れているのが見えます。初老の男で、あお向けに倒れています。
アプレシア:他に誰かいない?
GM:今の所いません。あと、体当たりしたかのように窓が打ち砕かれてしまっているのが見えます。
アプレシア:髪の毛が引きちぎれたものだとか、服のきれはしとか、遺留品はないでしょうか?
GM:そのようにあなたが部屋をごそごそと漁っていると、…。1ゾロだから気が付かなかったんだよね? 「魔道師様、お野菜を届けに……。きゃあ、人殺し〜!」という村人の声がドアの外から(笑)。野菜をぼたぼたと落としながら、去っていく村人の後ろ姿が見えますが、どうします?
アプレシア:下手に動かないよ。
GM:え、下手に動かない?
マーブル:そこに現れてもいいですか?
GM:いいですよ。あなたが魔法陣を探して村を歩いていると、大きな館の方から、「人殺し〜!!」という大きな声が聞こえてきました。
マーブル:じゃあ、そちらの方へ駆け寄ろう。
GM:ちなみに、農作業中の農民たちも駆けてきます。あと、部屋にある遺留品ですが、その辺りに血まみれの剣が落ちています。
アプレシア:なるほど。この剣なら、私が使えたとしてもおかしくはない。困った、どうしよう。
GM:そうやって悩んでいる所にマーヴルが現れる。
マーブル:館の中に入ってその場の状況を見た後、言います。「何をやっている。逃げるんだ」
アプレシア:(淡々と)「私がしたわけではないぞ」
マーブル:とりあえず、ぱっと彼女の手を取って、その場所から逃げるよ。、近くの茂みに放りこんで、隠れる。
アプレシア:とりあえずついていく。
GM:茂みの中のあなた達にこんな声が聞こえてくる。「な、何があったんだ」「薬売りの格好をした女が立っていてな、魔道師様が、魔道師様が血だらけで倒れてらっしゃったんだ!」などと話している。
マーブル:とりあえず、村人が騒いでいる間にそこから離れようとします。こそこそと村はずれに行きます。
アプレシア:うろんげな表情でその男を見ます。まあ、乗りかかった船だからと思って、ついていく。
GM:では、村はずれの森の中に来ました。
マーブル:「しっ。…もう大丈夫そうだね」
アプレシア:(淡々と)「そのようだ、な」
マーブル:「何があった?」
アプレシア:「館で男が死んでいた。取引相手だったのだが」
マーブル:「そうか。…君は、ここら辺では見ない顔だね。旅の人?見たところ、薬師のようだけど?」
アプレシア:「助けてもらったから言うが…、実は、傭兵のようなものだ」
マーブル:「なるほど。身分を隠して旅をしているわけか」
アプレシア:「あの魔道師の手伝いをする為に来たのだが、殺されていたのではどうしようもないな」
マーブル:「まあ、君が疑われるのは間違いないな」
アプレシア:「そうだな。…そうそう、助けてもらったから言うが、この村を離れた方がいい」
マーブル:「ん?何故だ」
アプレシア:(淡々と)「あと三日で滅ぶ」
マーブル:「突然、何を言っているんだ、君は?」
アプレシア:「黒くて大きな馬に、昨夜に告げられたのだ。信じなくてもかまわないが、私は、誠意を持って君に言っておく。三日以内に離れたまえ」
マーブル:「夢でも見たのでは?馬がしゃべるなんてありえないよ」
アプレシア:「だといいのだが」
マーブル:「とりあえずしばらくの間、君はこの辺に隠れているといい。食料なら僕が運んであげる」
アプレシア:「…子供の秘密基地ごっこのようだな。…いいだろう、それも楽しいかもしれん」
マーブル:「僕はマーヴル。吟遊詩人なんだ」と手を差し出す。
アプレシア:手を握り返す。「私はアプレシア=ローディック」手を離した後、「さっきの馬のことだが、私にはあれが夢だとは思いがたい。臆病ではないこの私に、あのような恐怖を植え付けるものが、ただの幻であってたまるか」

マーブル:「臆病でない?なぜ、そう言い切れるんだい?」
アプレシア:「臆病でないように努めているからだ。簡単なものではないか」
マーブル:「ふうん。でもね。人間というのは、時に臆病なものだよ」
アプレシア:「……」
マーブル:「じゃあ僕は一度村に戻るよ。夕方になったら、食べ物を持ってきてあげるから。じゃ、また後で」
アプレシア:「わかった」彼が去った後、「酔狂な人だな」と見送る。

GM:…状況が決定的に悪くなったような気がする(笑)。同じ頃、村を訪れる二人の旅人がいた。何か村では騒ぎが起きているようだ。
フロウリー:「おや、どうしたのだろう?カレン、ちょっとここで待っていて」と馬を止めてそちらの方に行きましょう。
GM:村の外れの方で騒ぎが起きたらしい。村人達が大勢集まっている。

フロウリー:「何か、ありましたか?」
GM:村人達は、あなたの方をみて、「あなたは?」とたずねてくる。

フロウリー「私は旅の騎士だ。神殿まで舞姫を護衛している途中なのだが」
GM:「そうですか。いや、実は、この村にしばらく前から住んでおられた魔道師さまが、殺されたのです」
フロウリー:「殺されただと? それは物騒だな」
GM:そうやって話をしていると、群集の中から身なりの良い男が進み出てくる。「これは騎士どの。ようこそ我が村へ」村長のようだ。
フロウリー:では、用件を話します。「はじめまして。祭の奉納舞のため、舞姫をお連れしました」
GM:「遠路ありがとうございます。狭いところですが、私の館にお泊まりください」
フロウリー:「ありがとうございます。ところで、村の魔道師殿が殺されたとか。あとで事情を聞かせて頂けますかな?
GM:「ええ。もちろん。では、舞姫どの。神殿にご案内させます。騎士どのは私の館へ先に行って休んでください」
フロウリー:「じゃあカレン」
GM:「ええ、フロウ。また後で」と手を振って別れます。
フロウリー:とりあえず、村長に「少し調べ物をしたいことがあるのですが。この村で本などがある所はありますか?」
GM:「うちの村には、数年ほどまえから魔道師どのが住まれておりましてな。そこか、神殿くらいでしょうか。あとは、村の中心に小さな石碑がありますよ。奇妙な紋様が彫られておるのですが魔道師どのは『あれは文字だ』とおっしゃっておられました」
フロウリー:「石碑の紋様、ですか」行ってみましょう。
マーブル:僕も石碑の所へ向かおう。
GM:フロウリー、石碑の所に来ましたよ。そこには『封印の門。ここにかの者を封じる』とか上代語(※5)で書いてあります。
フロウリー:上代語は読めない(笑)。「石碑、と言われてきてみたけど…」奇妙な模様だ、程度しかわからないか。
マーブル:昨日読んでいたことにしてもいいかな?
GM:いいですよ。
マーブル:ではうしろから、声をかけます。「『我はここに邪なるものを封ず。かの者、復活の時を待たん』」
フロウリー:「?」振り向こう。
GM:カリスマ性のある、妙にひとを安心させる雰囲気を持った男が立っている。
マーブル:「そこには、そう書かれているのですよ」
フロウリー:「ああ、そうなのですか。失礼ですが、吟遊詩人どの、ですね?」
マーブル:「はい。昔の叙事詩のことなどに興味があるので、各地の伝承等を調べているところなのです」
フロウリー:「ほう。例えば、どのような伝承があるのです?」
マーブル:「君は、黒い馬を見たことがありますか?」
フロウリー:びくり。「く、黒い馬、ですか」あきらかに動揺しているけど(笑)。「そうですね。騎士などしておりましたら、黒い馬なども見たことがありますね」
マーブル:ぽろん、と弾き始めましょう。(カードを出す)
フロウリー:おお、テーマカード。
マーブル:『風の匂いがする。季節が変わっていく。狩猟に備えるとしよう』「黒い馬は追い求める。封印から抜け出すことを、復讐することを」という歌を歌います。
フロウリー:「黒い、馬…」
マーブル:「そうです。彼は蛇にその体をからめとられているそうです」
フロウリー:「そう、それです!…あ、いや。なんでもありません。それより、その黒い馬の伝説を続けてください」
マーブル:「それを、見たのですか?」
フロウリー:「…ええ。あの馬は言いました。三日の後…」
GM:マーヴル。意志で10で成功してください。
マーブル:成功。…もうちょっと動きたいので。
GM:いいよ。君の心の中で何かがざわめいたが、それを押さえつける事に成功した。
フロウリー:「三日の後、この村に、災厄が降りかかると。早くこの村から立ち去った方がいい、とその馬は言いました。しかし私には、その馬の正体を知り、もう一度会う必要があるのです」
マーブル:「何故かな?」
フロウリー:「この地に舞を奉納すべく舞姫がきておられます。彼女を守るのが私の役目」 いつもだったらこの後に、べらべらと聞かれてもいないことを話す所ですが、さすがに今はちょっと(笑)。
マーブル:「それは興味深い。しかし、この村には本当に来るかもしれないよ。その時が」
フロウリー:ごくり。
マーブル:「さきほど、伝承の続きを語ってくれと言いましたね。しかし、僕の知っている叙事詩も詳しいことを語ってはいません。だから私は、本当の真実を知るためにこの村へ来た」
フロウリー:「あなたもその黒い馬に、出会おうとしているのですか?」
マーブル:後ろをふりむきましょう。「いや、そんなことはないよ。ところで君は、先ほど起きた魔道師の殺人事件のことを知ってますか?」
フロウリー:「うわさ程度には。その魔道師どのがおられたならば、あの馬に関するお話をくわしく聞けたかもしれませんが…残念だ。聞いた話によると、黒い馬が見かけられるようになった村は、災厄により滅んだとの事。その時、たった一人の少女だけが逃げのびたということです(ため息)」
マーブル:「君は、もしもその災厄がこの村に起こるとしたら、とめたい?」
フロウリー:「ええ。それに僕は彼女に、仇であるその馬を倒して欲しいと頼まれました。僕は、僕と彼女の誓いの為に、その馬にもう一度会わねばならない」
マーブル:「君は真実が知りたいか?」
フロウリー:「欲するのは、知ることではなく。彼女を納得させることただひとつ。ただ、その為に真実を知ることが必要とするならば、それを望む」

マーヴル「わかった、今夜酒場に来るといい。僕の知っている限りの事をお教えしよう。」
フロウリー:「ありがとう、吟遊詩人殿。彼女もこの村に来ているのですが、一緒に行っても構いませんか?」
マーブル:「ええ。では、またあとで」彼と別れたあと、村はずれのアプレシアのところへ行きます。
GM:という所なのですが、夢歩きをしてくれないか?
マーブル:どういう感じの夢歩き? それは内なる者のやつ?(GM:そう)。

『そのうたかたの鎖を断ち切ろう。今や汝は自由となった』
GM:あなたが、あの女傭兵にもう一度会うために、村の外れを歩いていくと、川のほとりでふと疲れを覚えた。あなたは川原の石に腰掛け、少し休むことにした。川を見つめると、その水面が不意にゆがむ。そして水鏡に映ったあなたの姿が、あなたに向かって話しかけてくる。「なあ。おまえは、望むものに近づいているのか?」
マーブル:「ああ。…おまえは誰だ」
GM:「悪いようにはしない。もし、あの男を殺したことで今回の災厄がおさまるのであれば…」
マーブル:「あの男?」
GM:「自分の手でとどめをさした事を覚えていないのか?」
マーブル:「違う。あれは僕じゃない!僕がやったんじゃない!」
GM:「…そうだな。あれは私がやったことだ」
マーブル:「…おまえは誰だ」
GM:「いずれ、わかる」
水鏡は元に戻り、ただ水のせせらぐ音だけが聞こえるのみ。
『そのそのうたかたの鎖を断ち切ろう。今や汝は自由となった』

マーブル:では、彼女の元に向かいます。「大丈夫? ほら、これが食料だ」
アプレシア:「ありがとう。…館の方はどうなってるのだろう」
マーブル:「そうだな。…何だったら、一緒に行くかい? その格好を着替えて、僕の知り合いということにすれば、多分村人にはわからないだろう?」
アプレシア:「そうだな。合流した傭兵ということにすれば良いかもしれない」
GM:それは判定が必要ですね。
マーブル:「大丈夫。僕のいうことなら、きっと村の人も信じてくれるよ」王者の相を持っているからちょっと強気です(笑)。
アプレシア:「ふふ、いいだろう。乗ってやろう。着替えるから先に行っていてくれ。村の入り口でおち合おう」

GM:で、その間フロウリー:は何やってるんだ?
フロウリー:とりあえずカレンの所に行く。「少し話したいことができたんだ」
GM:「何かわかったの?」
フロウリー:「ああ」きょろきょろとして扉を閉めた後、「実はね、あの黒い馬のことを教えてくれる人を見つけたよ。この村に来ている吟遊詩人で、知っている限りの話を教えてくれるって。今晩、一緒に行くかい?」
GM:「ええ。あ、そういえば、ここに来る途中に聞いたんだけど、この村ではあの黒い馬が何日も前から、夕方頃に村はずれで見かけられているらしいわ。でも、この村の亡くなられた魔道師殿は、『あれは悪いものではないから』とおっしゃっておられたそうなの。でもそんなはずは…」
フロウリー:「そうだ…な。一度魔道師殿についても調べてみるよ。とりあえず今日は古王神殿の図書室の文献を閲覧させてもらうつもりだ。カレン、必ず君の無念を晴らしてみせる」
GM:神殿の書庫で調べてみるなら魔法知識で目標値15。
フロウリー:18で成功。
GM:このデータを読んでください(※1を参照)
フロウリー:なるほどね。となると、あの馬の足止めをしなくてはならないのだが…。信じてもらえないかもしれないけれど、一度村長に相談してみようか。

GM:さて、村はずれです。傭兵の格好に戻ったアプレシアがいます。
マーブル:まず宿をとりにいきましょうか。
GM:あの薬師だったことがばれたかどうか、判定しましょう。二人の内、どちらでもいいので、使えそうな技能で目標値10以上。
マーブル:えっと『社交知識(貴族)』を使おう。元々は村娘みたいな格好だったので、今度は貴族や騎士っぽく見せてみます。
GM:では、その変装でごまかせた。「おや、お客さん。別嬪さんを連れて。新しいお客かい?」と宿の親父さんが声をかけてくる。
マーブル:「ああ、僕の古い友人なんだ。村の入り口で偶然会ってね。もう一部屋用意してもらえるかな?」
GM:では、部屋を用意してもらった。
マーブル:「そういえば、僕がいない間に騒ぎがあったみたいだけど?」 知らないふりをして尋ねよう。
GM:「ああ。何やら旅の薬師風の女に、魔道師殿が刺されたとかいう話だね」
マーブル:「ほぉう」
GM:「残念なことだ、あの人はこの村にいろいろ尽くしてくださったのに。病人がでたら薬を分けてくれたり、子供達に文字を教えてくれたり、いい人だったよ」
マーブル:「なるほど。この村の先生だったわけだな」
GM:「ああ。本当にひどいことする奴もいるもんだ」
マーブル:(平然と)「たしかにな」
GM:…少しは良心が痛まないのか、この男は(笑)。
マーブル:だって僕じゃないもん。
GM:では、夢歩きをして。

『無垢ならん。知らず、聞かず、疑わず』
GM:脳裏にちらりと昨夜の光景がよぎったが、あれは俺じゃないんだ、とあなたはつぶやいた。
『無垢ならん。知らず、聞かず、疑わず』
…ひどい奴だ(笑)。

マーブル:では、館の方に行ってみましょう。行く途中、彼女と話をしよう。「君は何故、女ながらに傭兵のようなことをやっているんだい?」
アプレシア:「それは、…それは成り行きで」
マーブル:「成り行き? 成り行きで傭兵になるような女などいないだろう?」
アプレシア:「世の中にはありとあらゆる可能性があると思わないか?…例えば、偶然君と私が出会って、君が私の手を引いて逃げたように。普通、しないぞ?」
マーブル:「あれは…特に理由があったわけではないんだ。ただ、絶対に君がやったのではない、そう思ったんだ」
アプレシア:「ああ。私はやっていない。誓ってもいいぞ。この剣にかけて。母の名にかけて」
マーブル:「? 『母』の名にかけて?」
GM:ぴんとくるなら、地域知識で目標値15。
マーブル:…知っておきたいな、これは。16。
GM:なんとなく、言葉にダリンゴースの訛りがあるような気がするよ。ダリンゴースはこの国の隣国で、戦が多いところです。獅子王教団について、知っていてもいいですよ。(※6)
マーブル:「なるほど。そのせいで君は戦わなくてはいけないのか」
アプレシア:「そのせいで、とは一体?」
マーブル:「…君の言葉が、それを物語っている」
アプレシア:「まあ、いくさの多いところだからね」
マーブル:「果たしてそれだけ?」
GM:さて、魔道師の館に着きました。あと館にくるまでに村人から、薬師風の女を見かけたら村の皆に大声で知らせるように、という話を聞きました。
アプレシア:わざわざ田舎訛りでしゃべっていて良かった(笑)。
「ではあらためて、お邪魔するとしよう」
マーブル:彼女に続いて入りましょう。
GM:館には、今は誰もいないみたいだ。
マーブル:「それで、何を調べるのかな?」
アプレシア:「彼が何をしていたのかを」
GM:どの部屋から調べます? 魔道師が倒れていたのは書斎です。他に書庫や、寝室、客室などがあります。
アプレシア:まず、死んでいた場所から探す。
マーブル:あ、俺も調べたい。
GM:どの辺を探りますか?
マーブル:机の中かな。
GM:机の中で目についたものは、書き損じた手紙だ。ダリンゴースへあてた手紙のようですね。
『例の件だが、実現するメドがたった。しかるべき戦力をひとり、こちらに寄越して欲しい』というような内容が書いてある。途中で書き損じたため、上から線をひいて消してある。
マーブル:さらに机の中を調べよう。
アプレシア:その様子を見て、マーヴルに言います。「吟遊詩人。好奇心猫をも殺す、という言葉がある。余計なことを知れば命を失う破目になるかもしれないぞ」
マーブル:それを聞いたらこう言う。「大丈夫。僕もうちょっとで死ぬから」
アプレシア:顔をまじまじと凝視する。「…何をいう。ばかいえ」
GM:ならアプレシア、夢歩きしてください。

『命短き者よ。生き急ぐな。おまえの生きる大地は常にゆっくりと歩む』
GM:あなたはその台詞に、少しむっとした。故郷であなたの友人だった女性は、「大丈夫。私は死ぬはずがないから」が口癖だったけれど、あっさりと戦場で命を散らしてしまった。命を軽く扱うようなその言葉に、あなたは少し、苛立ちを覚えた。
『命短き者よ。生き急ぐな。おまえの生きる大地は常にゆっくりと歩む』

アプレシア:「なんと言うか、生と死はいつ訪れるかわからないが、そうも確定して言われると、…。そうだな。感情がざわめいたのは久しぶりだ。どうやら私はおまえに恩義を感じているらしい」
マーブル:「気分を害したのなら、あやまっておこう」
アプレシア:「気分を害したわけではない。害するだけの気分を持っていないと思っていたのだが…」と一言。
マーブル:「確かに、死をただ待つというのは、酷なことかもしれないし、おろかなことかもしれない。ただ、私はもう死と向きあわなければいけない位置にいるのだ」
アプレシア:じゃあ、ぐいと顔をのぞきこんで、「人間いつでもそうだ。生あるものいつでもそうだ。それに気がついてからが本当に生きている時間ではないのかな、と私は少し思うよ」と。「くだらないことを言った。すまぬ」と、またがさがさがさと
マーブル:「私はまだ生きている」
アプレシア:「うん」
マーブル:「生きているうちにやらなければいけない事がある」
アプレシア:「少しくらいなら手伝えるが?」
マーブル:それには応えず、無言で探しはじめましょう。
GM:引き続き捜索ですね。魔法知識で判定してください。。
マーブル:26。
GM: おお、すごい値だな。研究ノートの中に次の記述を見つけた。
まず、研究ノートの前半がわかります。ある魔族について調べた内容です。『夕闇を走る者』の所、特に二番目の魔力を読んでください。ノートの後半は『その陣によって発生する崩壊のエネルギーで、別のもの、そう、この地に封印されしあの方の封印を壊す事ができるのではないか?』ということが疑問形で書いてある。さらに端の方にメモ書きがしてあるのに気づく。『私の理論は正しかったようだ。ただ、何か封印を守る者がいたようだが、それは逃がしてしまった。いつかそれが邪魔しに来るかもしれない』と書かれている。
マーブル:なるほど。…誰だろう?
アプレシア:このノートは何年くらい前のものでしょう? 紙質から見て。
GM:そうですね、三年程まえから書かれているようです。ときどき「ダリンゴース伯爵から資金援助金貨何百枚」とか書いてあります。また、日記に「村人の信用を得ることに成功」等の記述がある。
アプレシア:計算ずくということか。
マーブル:「ダリンゴース…君の故郷だね」
アプレシア:これ以上読ませない方がいいか。「まだ読むのか? 恐ろしくはないか?私がこの剣でそなたの首をはねぬとも限らぬぞ?」
マーブル:「いや、恐ろしくはないよ。でも、ここで殺されるわけにはいかないね」 それ以上読むのは諦めます。
GM:では、そこまで読んだ所で、二人は目を合わせた。
アプレシア:「君は私に何故傭兵をするかと聞いたが、今度は私が君に何故、吟遊詩人であるかを問うとしよう」
マーブル:「…歌というものは、本当はどういうものなのか知っている?」
アプレシア:「…この無骨な女に問うか?」
マーブル:歌をうたいましょう。
GM:…。こっそりと忍びこんでいる館の中で?(笑)
マーブル:いや、詩を朗読するだけです。
『我は鏡。汝の過去を愛してあげよう』
たったひとりでも、ただ一遍の歌をつむぐことで人を救うこともある、という内容です。
アプレシア:「無骨な私には一生解することのなさそうな代物だな。しかし、そなたはよほどの豪胆な者か、大馬鹿者だな。このような時に私のような容疑者のそばで、詩を読むとは…」と苦笑する。「さて、もうそろそろ得るものはないか」(※7)
GM:さてマーヴル、意志力抵抗15。
マーブル:ここは失敗しておいた方がおいしそうだな。失敗しておきます。
GM:彼の瞳が、だんだんと金色に変わっていきます。先ほどと全く違う声であなたに問いかけてきます。
「さて、この後あなたはどうなされる? 真相はもうおわかりになったのでしょう? あなたの任務はおそらくこの魔道師が成そうとしたことに協力せよ、ということ。ですが私としては、あなたにそれを止める手助けをして欲しいのですが?」
アプレシア:「おめおめと任務を失敗して帰れ、と? では、見返りに何がある?」
GM:「この世界には、幾多のすばらしいものがある。あなたもこの村の人々の笑顔を見たでしょう? それが守れる、他に何を望む?」
アプレシア:「ずいぶんと都合の良い話をしておるな。私は村人にいきなり殺人鬼だと叫ばれたのだぞ ?下手をすればこの魔道師を殺害した罪を問われる身なのだぞ? それで村人たちに何の恩義がある? 村人たちの笑顔に何の価値があると言うのだ?」
GM:そこで夢歩きをしてみましょう。故国への忠誠を誓うシーンなんかあるといいですね。
アプレシア:15です。

『我は槍。貫き、飛び行くことが使命なり。折れるを恐れず』
GM:あなたが教団からはじめて自分の剣をもらった時の司祭の台詞を思い出します。
「これより先、おまえの命はおまえのものではない。おまえは我々のために生き。我々のために死んでいくのだ。それがおまえの任務であり、おまえの存在意義の全てだ。わかったな、若き獅子の戦姫アプレシア=ローディック」
『我は槍。貫き、飛び行くことが使命なり。折れるを恐れず』

GM:「なるほど、残念ですが協力していただけないということですか」
アプレシア:「文字通り目の色が変わっている人間にいわれても説得力がないな」(笑)
GM:「あなたはご存知でしょう。この瞳の意味を」 そう、金色の瞳は破魔の瞳です。
アプレシア:「何ゆえに違う声音と違う瞳で私に語り掛けるか?答えよ。筋の通った話であれば聞いてやろう」
GM:「…私はそろそろこの男に肉体を返さねば」
アプレシア:「待て。そなたは何者か、そして彼にとっては何なのか?」
GM:「私はそろそろ消えねばならない。私はあの者を倒すためにこの地に残された…」というあたりで、マーヴルの意識が戻ってくる。
マーブル:「では、帰ろうか」 今のことを覚えてないので、時間が経ってないと思っている。「あれ、いつの間にかもうこんな時間か」
アプレシア:「うむ」(※8)


(※1)データ:夕闇を走る者"ランスタール"
魔族の一人である蛇の大公ブーレイの騎馬。
二つ目の魔力として《魔法陣の生成》の力を持つ。
魔法陣はランスタールが13日の間、同じ場所に円を描いて走ることで作られる。陣が完成すると、陣の中の者は寿命を吸い取られ、その陣に取り込まれてしまう。村ごと滅ぼされた所もあるという。
(※2)フロウリー:芸術家の考える事はよくわからないってヤツだね。
(※3)マーヴルは『ランスタール』のデータから、魔法陣がこの村にある可能性がわかっています。ランスタールへの手がかりを探そうとしているわけです。
(※4)マスターの心の声です。
(※5)古代に使われていた言語です。現実世界に相当するものはラテン語とかギリシャ語になるでしょう。
(※6)背景設定:獅子王教団における女性の立場
獅子王教団において、女性には二つの道しかない。《獅子の母》として、戦士となる子供を産み育てるか、《獅子の戦姫》として女兵士となるか。 《獅子の母》を選ばなければ、《獅子の戦姫》を目指すしかない。そして《獅子の戦姫》の訓練は男のそれよりはるかに厳しいものだとされている。
(※7)(この時あった会話)
GM:さて。プレイヤーに質問。この後、どうする? この人が何のためにあなたを呼んだかわかったかな、そろそろわかったよね?
アプレシア:うん。守護する者をたたきつぶせというお話だったんだよな。
GM:そうそう
(※8)(この時あった会話)
GM:しかし、プレイヤー的的にはこの後、どうするつもり?
マーヴル:いやもう、魔族復活させるためにばしばしと。
GM:おいおいおいおい。そ、そうなんだ…。
マーヴル:うん。
GM:…ひどい話だ。
マーヴル:だって、歌を聞かなきゃいけないんだもん。


4  夕闇に対峙するもの
― 二日目 夕方 ―

GM:さて、そろそろ夕刻です。馬が現れる頃ですね。村のどこにいるか、自己申告してください。
アプレシア:私は宿に帰る前に、村はずれに行く。
フロウリー:馬が走るルートは確認しておきたい。馬の現れる場所から少し離れて、遠目で見ます。
マーブル:僕は、馬が走り回ったあとを調べる。できれば他の人とは別々の所にいたいんだけど。
GM:全員、馬に会いに行くわけですね。
フロウリー:この村、物見台ってあるの?
GM:あります。
フロウリー:じゃあ僕は物見台から見る。
GM:夕刻、物見台の方から見ていると、昨日見た黒い馬が、はずれの方から走ってくるのが見える。そして、村の周囲を走っていく。村人が「また来たよ。あの先生も死んじまったし、やっぱりあれは不吉だな」とか話をしているのが聞こえてくる。
さて、アプレシア:。あなたが森の外れで潜んでいると、村はずれの方から蹄の音が聞こえてくる。音はだんだんと近づいてきて、やがてあなたの前で立ち止まる。まず黒い馬の恐怖に対する影響値判定。目標値18です。
アプレシア:16。2足りないので寿命1年で縁故を使います。「私は臆病者ではない。だから昨日耐えれたものに、今日耐えられぬわけがない」 成功。
GM:「昨日の女か。逃げなかったのか」
アプレシア:「私にも都合があるのでな」
GM:「いずれにせよ、あと二日の後、この村は滅ぶぞ」 また走りだしながら、「もし、逃げられるなら、村から逃げるがよい。私とて、人殺しがしたくてやっているわけではないのだ」
アプレシア:「したいわけではないのか、ふむ」
GM:「わたしは封印を探しているだけ。そう、わたしの戦いはまだ終わっていないのだ」と去って行く。
アプレシア:首をかしげながら、どういうことなのか足りない頭で考えるが、やっぱりわからないので、すたすた歩いて立ち去る。
GM:では、吟遊詩人。15で意志判定してください。
マーブル:成功。
GM:あなたの意志はまた何かに乗っ取られようとしたが、あなたはそれに耐えた。夢歩きをしてください。

『我が名前を遠くより呼ぶ者は誰ぞ』
GM:その感覚に耐えたあと、あなたの脳裏にこんな声が響く。「あの者を倒さなければいけないのだ。あれを倒すために私に協力してくれないか。もう私の声は聞こえるのだろう?」
マーブル:「…うるさい。僕はかの者の伝承を聞く。叙事詩の真実をこの手につかむ」
GM:「そのために人が死んでもいいというのか?」
マーブル:「内なる声の者よ、僕は人を殺すためにやるわけではない。だが、僕は真実が知りたいんだ。人の価値は、その人が何をするかで決まるのではないのか。僕は真実を知り、それを語りたいんだ」
GM:返答のしようがないですね。じゃあ、あの、そういったあと、走っていく馬を遠目にみながら、「美しい」とつぶやくわけですか。
マーブル:え、遠目にみながら? 会いたいんだけど。
GM:いや、あなたの前をそのまま走り去っていくけどね。
マーブル:ちょっと待って〜。

GM:会いたかった? じゃあ、黒い馬があなたの方へ走ってくる。
マーブル:「夕闇を走る者ランスタールよ。僕に、君の真実を聞かせておくれ。かつて、君の身に何が起きたのだ。君達は何を考え、何をあの時求めたのだ?」
GM:「吟遊詩人よ。我は物語を語るものにあらず。物語で生きる者なり。物語で生きる私にとって、神々との戦いは今の延長なのだ」
マーブル:「では、どうすればそのことを聞かせてもらえるのだ?」
GM:「もしこの物語におまえの配役があるのなら、いずれ、過去の物語と今の物語は交じり合うだろう」と言って馬は去っていく。
マーブル:後姿を眺めながらつぶやく。「しかし僕には時間がないのだ」
『我が名前を遠くより呼ぶ者は誰ぞ』

GM:しかし…、体を乗っ取ろうとする側が善玉で、乗っ取られようとする側が魔族側だとは、また珍しい展開ですな(笑)。さて、馬が去った後です。(※1)

フロウリーとカレンは、マーヴルのいる宿に向かった。「こちらに、何かご存知の吟遊詩人がおられるのですね、フロウ」
フロウリー:「ああ。あと、その馬のことについて調べたのだけれど、馬が走ることさえ止めることができれば、災厄をとめられるらしい」
GM:彼女は小さく震える。「あと二日、あと二日なの」
フロウリー:「これには村の存亡もかかっているから、この村の村長殿に相談して、協力してもらおうと思う」
GM:「そうね。もしもの時は、村の人も避難させなければいけないし」さて、フロウリーとカレンが宿屋に到着する。
マーブル:僕は歌を歌ってます。
アプレシア:私はテーブルに座っていよう。「やあ、フロウリー=ゴーチェ。久しいな。アプレシア=ローディックだ。忘れたか」
フロウリー:「…アップル殿?」
GM:「ずいぶんと雰囲気が変わられましたわね」
フロウリー:「ああ、見違えたよ。君は戦士だったのか」
アプレシア:「まあな。実は、改めて話したいことがあってね」
フロウリー:「悪いが、今は時間がないんだ」
アプレシア:「『時間がないこと』について話したいのだよ。…もう一度、あれに会うつもりか?」
フロウリー:「…ああ」
アプレシア:「ならばこれをくれてやる」とノートをどさっと出す。「あの馬のことについて、書いてある」
フロウリー:「君も、あのことについて調べていたのか」
アプレシア:「悲劇はそれほど好きではないのでな。我らの利益に関しない限りは。気まぐれなのだ。これは、ある人物の筆跡でかかれているはずだから、証拠の品になろう」
フロウリー:「はあ。…とある人物とは?」
アプレシア:「丘の上の魔術師。あの馬はさして人殺しは好きでないらしい」
フロウリー:「君は何故これを見つけることができたんだ?」
アプレシア:「それは言えぬ。そもそも本来ならば、私はそなたらに敵する者なのだよ」
フロウリー:「敵する?」
GM:「私たちと一緒に、あの黒い馬と戦ってくださるのではないのですか?」とカレンは言う。
フロウリー:「僕達は、村が滅ぶのを防ぎたい。どうか協力してはもらえないだろうか」
アプレシア:「逃げ去ればよい。逃げるものまでは追わぬだろう。利害が一致するのはその一点だけだ」と。「察していただけないかな?」
GM:「どうしても駄目なのですね」
アプレシア:少し悲しそうな顔して、「あなたのような生まれで、私にも彼のような騎士がいてくれれば」と苦笑する。「それでは失礼」
マーブル:では、曲を終わります。「やあ、来られましたね」
フロウリー:「吟遊詩人殿。遅くなりました。少し知人と話ししていたもので」
マーブル:そちらの方をみて、「ああ、アプレシアさんとお知り合いですか」
フロウリー:「おや、ご存知なのですか?」
マーブル:「ええ。ちょっとした知人でね。そういえば、あなたのお名前もお聞きしていませんでしたね。僕はマーヴルといいます」
フロウリー:「ああ、そうだった。私としたことが。フロウリー=ゴーチェと申します。ヴァクトンの蔦の騎士団に属する騎士です」
GM:「古王神殿の舞姫カレンと申します」
マーブル:「とりあえず、僕の部屋へ行きましょうか」
フロウリー:「ええ」
マーブル:では部屋に行きます。「もう一度問うけども、何を目的でここに来たんです?」
フロウリー:「この村の祭りに参加することです」
マーブル:「カレンさん、あなたもですか?」
GM:「私は祭りの舞姫ですから。ただ、これとは別に、私は過去に、あの黒い馬に故郷を滅ぼされました。だから、…そのつらい記憶を胸に今まで、ずっと生きてきました。必ずや、父さんと母さんの仇を…。どうか何かご存知なのでしたら教えてください。私は私の村のような悲劇を二度と繰り返したくないのです」
フロウリー:「吟遊詩人の詩の中に、こういった生き物はいるのか?」
マーブル:「僕は吟遊詩人。僕が知っているのは、叙事詩のほんの一編に過ぎない」
フロウリー:「それでもいい。聞かせてください」
マーブル:「『我は忘れぬ。我は諦めぬ。我は追い詰める』我は主のことを思い、探し求める。我はあなたとの記憶を忘れることはないだろう。例え、幾千年の時を経ようとも我はあなたを求め続ける。いつかまたあなたと共に荒野を駆け巡る日まで。『我は忘れぬ。我は諦めぬ。我は追い詰める』」
フロウリー:「あの黒い馬の歌…か」
マーブル:「君は魔族というものがどういうものだと思う?」とカレンに尋ねましょう。
GM:「詳しくは知りませんが、ただ私が仕えるべき神々が封じた、人の世に仇なすものだ、と」
マーブル:「君は、物語の一片しか知らない。それは、古き神々にとって都合の良い、ただそれだけの物語なのだ。もっとも、私が語っているものさえ真実かどうかはわからないが」
GM:「そのようなことはどうでもいいんです。私の村にあった、平穏な日々の生活。本当に大事なのは、その生活なのではないのですか?例え真実が何であれ、それが私の母や父が死んでいい理由にはならなかったはずです」
フロウリー:「カレン」と肩を持って、「吟遊詩人どの。僕達は、例え真実がどうであれ、悲劇を繰り返させるわけにはいかないのです」 立ち去りましょう。
GM:マーヴルの内なる者がカレンの言葉に反応しています。意志判定に失敗したら瞳は金色に変わります。
マーブル:(ころころ)失敗。…変わっておこう。
GM:「待たれよ」と先ほどと違う声でいう。
フロウリー:ん?、と振り向く。「吟遊詩人…どの?」 僕はその微妙な変化に気づくことができるだろうか?
GM:夢歩きをお願いします。

『血が一滴したたった。無明の闇の中から今何かが誕生し、世界に波紋をもたらしていく』
GM:その金色の瞳を見た瞬間、あなた達二人の脳裏にこんなイメージが浮かぶ。
祭壇の前で、一人の男が血を流し倒れ伏している。口から血をこぼしながら、その男は天空の神にむかって叫ぶ。「戦車の王サイベルよ、私に力を。この者の封印を完全には成し遂げることができませんでした。私に力を。この封印が再び解ける時に、その封印を再び守る力となるよう、私の命を捧げます」男は祭壇の前で、自らののどに短剣を刺した。時は流れ、その祭壇の周りは壊れ、石碑だけが残る。

GM:「今のが見えましたか?」
フロウリー:「戦車…の者? というと破魔の力か」とつぶやく。(※2)
GM:「今はこの男の肉体を借りてこの世に復活した、陽炎のような存在に過ぎませんが。騎士殿、あなたの力になりたい」(自分の体を見下ろして)「もっとも、この男は違うようですが…」
フロウリー:「…吟遊詩人殿はあなたの存在を知っているのですか?」
GM:マーヴル、今話している内容は聞こえていていいですよ。薄ぼんやりとした光景として見えています。金の瞳の者は答える。「彼は私に協力してはくれません。…それはそうでしょう。いつの間にやら何者かが自分の心にとりついて、しかも支配する力が日々強くなっていくのですから。しかし、この儀式が完成してしまえば、カレンさんの村のような悲劇が、いえ、もっとひどい事が起きてしまうかもしれない。そのような事を許すわけには…。本当はアプレシアさんにも協力して欲しかったのですが、彼女はダリンゴースに仕える身ですし」真相をべらべらしゃべっているね(笑)(※3)
アプレシア:斬っときゃ良かったかな〜…って違う違う(笑)。
GM:「あの人の任務は、この儀式を完成させ、開放された力をダリンゴースの役にたてることのようでしたから。あの人も悪い人ではないのに…。あの人に、自らの教団を捨てる勇気さえあれば…」
フロウリー:「教団? 何らかの教団に関わっているのですか?」
GM:「あの人は、獅子王教団に属しています」
フロウリー:獅子王教団についてどの程度知識を持っていていいのでしょう?
アプレシア:最前線に突っ込んでくる、バーサーカーの集団(笑)
フロウリー:ラリった傭兵集団(笑)?
GM:ラリった傭兵集団です。ダリンゴースは隣国なので、その辺りの情報は全て知っていて構いません。
フロウリー:「『獅子王教団の女兵士』というと…その立場についてはずいぶんと複雑なものがあると聞きましたが…」
GM:「だから、あれがあの人の精一杯の誠意、良心なのでしょう」
フロウリー:「そうですか。ともかく、あなたがあの馬を倒す事に協力してくださるのはありがたいと思います」
GM:「その為に、あなたにお願いしたい事があります。アプレシアさんの説得よりも難しい事かもしれない」
フロウリー:「難しいこと?」
GM:「いま、私はこの肉体を仮初めの肉体として復活しました。その為、力が足りないのです。ですが、マーヴルがあの馬の封印に心から協力してくれるならば、私は全ての力を解放できます。そうすればあの馬とも互角に戦えるでしょう」
フロウリー:「吟遊詩人殿の説得をしろ、という事ですか」
アプレシア:そろそろ盗み聞きしにいこうかな?(笑)
GM:ではこうしましょう。あなたは刻印を持っているので、強い戦車の刻印を感じた。そこで、その部屋に向かい、途中から盗み聞きしていた、ということで。
フロウリー:「しかし、なぜ吟遊詩人殿は魔族の復活を阻止しようとしないのですか?」
アプレシア:扉をそっと開け(笑)。
GM:「この者は幼少の頃に戦車の祭壇を傷つけ、その時から私がこの者の心に住み着くようになりました。それ以来、私の力が少しづつ強くなるにつれてこの者は弱っていきました。このままでは彼は…。だからこの者は、自らの生きた証を歌に託そうとしており、その為に魔族から話を聞こうとしているのです」
アプレシア:「結局のところ、聞いていいか?」
フロウリー:びくり。
GM:入ってくるの?
アプレシア:扉をそっと開ける〜。「結局、彼はどうなる? 心から、魔を封じることに賛同したとして、魔を封じられたとして、彼はどうなる? そなたはそれでいいとしよう。しかし、ただの吟遊詩人としてごく普通に生きようとしてきた者はどうなる? そなたにはその義、わかるはずもあるまい」
フロウリー:「あの馬の封印を成したとしたら、あなたはどうなるのですか?」
GM:「私は再びサイベルのもとを訪れ、一騎の戦車の使いとして、戦い続けるしもべとなるでしょう」
フロウリー:「つまり彼の体から出て行くということですね」
GM:「その際に彼が生き残れるかどうかは正直な所、わかりません」
アプレシア:「ずばり聞こう。どうすれば生き残れるのだ? より確率高く」
フロウリー:少し驚いてアプレシアの方を見る。獅子王教団の兵士と聞いたので詩人を生き残らせることに興味を持つとは思わなかったから、ちょっと驚いた表情で。
アプレシア:「どうやら彼は生きたいらしい。生きたいものが『もうすぐ死ぬ』と言われれば、自暴自棄にもなろう?『かつて封印を成し遂げられずに中途半端に死んだから』と言って、他人の家に間借りしているのだ。そなた、いい知恵しぼれ」
GM:「もし、彼が自ら望むようなすばらしい歌をなすことができ、それが彼の生きる支えになるのならば、彼自身が生き残る確率が高まるやもしれません」
アプレシア:「…死を引き換えに得たいと思っているものを得たとして、その後、生きたいと思えるのか?」
フロウリー:「彼が生き延びるには、あなたがこの体の中から出て行かねばならない。体を出て行くには魔族を封じなければならず、それをするには、彼が協力せねばならない。つまり、魔族を封じれば生き残る確率があがる、と彼を説得するしかない。あとは彼自身の生命力の強さの問題になるが、…つながったじゃないか」
アプレシア:「つながらぬのは私だけだな。頑張って健闘してくれ」
GM:「本当はあなたにも協力して欲しかったのですが」
アプレシア:「まあ、気が向けば」
GM:「なんにせよ、先ほどからの会話を彼はずっと聞いています」
アプレシア:「気の毒なことだ。いまさら、精神体が移ることはありえないのだな? 繰り返して問うが」
GM:「仮にありえたとしても、自らの命を捧げてまで、魔族の封印に力を貸そうという人が、一体どこにいる?」
アプレシア:「ここにいるとすればどうする? 我がなろう。獅子王教団からは手を切りたい。しかし同胞を裏切りたくはない。なればこの体くれてやる方が良い。思わぬか、そなた。叙事詩に残るようにしてもらえるのならば、この吟遊詩人も、これからの命、そうだな、私がその体救ってやったのだから、心をこめて歌ってくれもしよう」
フロウリー:「詩人どの、あなたはどう考える? あなたならばどういう道を取りたい?」
GM:そこで、金色の瞳が薄れていき、あなたの意識が戻ってくる。さあ、どうする?「この彼女は、あなたの代わりに…」
マーブル:冷たく答える。「…うるさい」
GM:…内なる声は黙ります。
アプレシア:「私にそれを寄越せ、詩人。歌をひとつ得よう? どうあろうとな」
マーブル:アプレシアを睨む。「君は何もわかってはいない。僕の何もわかってはいない」
アプレシア:「我が勝てばそこに一つの叙事詩が生まれ、負ければそなたは魔族から話を聞くことができよう? どの道、内なる者に負けかけているそなたに選択肢はそれほどないと思うぞ」
マーブル:「アプレシア。人間とはそのような簡単な存在なのか?」
アプレシア:「わからぬ。わからぬからわかるうちで言うのみだ。腹が立ったのなら申し訳ないが私にはこのような物言いしかできぬ」
マーブル:「君の気持ちはありがたい。だが、この運命を背負っているのは僕だ」
アプレシア:「そうだな。そなたが何を望んでいるか、わからぬ…何もできぬのが歯がゆいよ」
マーブル:「…君がその腹を割らなければ、僕は君に腹を割ることはないだろう」 竪琴を持って外に出ます。
アプレシア:「…」
フロウリー:彼の肩をつかむ。「待て。先ほどの戦車の者に問いたい。もし詩人殿が心から納得したなら、あの魔物に対抗するだけの力を発することができるのだな?」
GM:意識を貸してくれる?
マーブル:抵抗の意志は見せるよ…はい、失敗。
GM:「おそらく、あの馬に出会ったとき、あなた達は威圧され、動くこともできなかったはず。私は、少なくともその威圧感を和らげることはできます」 ルール的な事を言うと彼は《太陽の召喚》(※4)が使えるので、あの馬の力をある程度抑えることができる。
フロウリー:「わかった」と頷く。「詩人殿。あなたは、何よりもつよい意志を持っていると思う。あなたが何を望んでいるのかは知らないが、自分の体と心を取り戻す手立てがあるならば、ひとつそれに挑んで欲しいと思うのだが。いや、勝手な言い分だったな」と言って手を離しましょう。そして、カレンに「いざとなれば、僕達だけでも向かうことにしよう」
マーブル:体に戻ってもいい?
GM:はい。
マーブル:では、部屋から出て行く前に一言。「僕の命だ。どう使おうと僕の勝手だ」(※5)



(※1)(この時あった会話)
マーヴル:宿に戻る時点で、シーンを変えたりしません?
GM:いいよ。
熱がこもるとマスターはシーンチェンジを忘れがちになるので、プレイヤーサイドから言うのも結構大事です(笑)。
(※2)背景設定:『戦車』
十二と一つの星座のうちの一つ。裁きと順法の星座で、司る神は戦車の王サイベル。象徴される色は「金」です。
戦車の魔力は、魔を退ける力です。魔と戦う者は、しばしば戦車の力を用います。
また、戦車の魔力を秘めた瞳は『破魔の瞳』と呼ばれ、魔族や魔力を刻んだ者を傷つける事ができます。
(※3)個人的には、深淵の場合情報収集等の探査に重点をおくより、情報を早い段階で与えられるだけ与えてしまい、その情報を知った上でどう対処するか?とPCに迫るほうがうまくいくと思います。
(※4)呪文説明:太陽の召還
破魔の魔力を司る戦車座最大の呪文。呪文効果中はあらゆる"魔"の行動判定に-10のペナルティ。さらにその上毎ラウンドダメージを与える。
良く考えると、この呪文だと魔族教団の配下であるアプレシアにもダメージが行ってしまいますね。ゲーム中には気が付きませんでした。
(※5)(この後の会話)
マーブル:このあとどうするか、マスターとこっそり相談したいんだけど
GM:あ、そう? じゃ、ここから、ちょっと相談しようか。
(GM&マーブルのPC、席をはずす)
マーブルのプレイヤー:マスター、断ってもOKなの?
マスター:その方がリアルだと思えば、そうしてOK




 夜の歌

― 二日目 夜 ―

GM:このシーンは夢歩きで処理しましょう。全員、その日の夜の夢歩きをしてください。

(フロウリーの夢歩き)
「時過ぎれば、憎悪さえも小さな思い出に変わる。嵐はいつか去るのだ」
GM:カレンは言う。「全ては明日ということにして、今晩は寝ることにしましょうか」
フロウリー:では、神殿にカレンを送ります。明日の朝、村長さんに話を持ち出すつもりです。
GM:カレンの事を、「僕をずっと愛してくれる人形だ」と思っていたあなたは、古王神殿に送る途中、彼女の瞳の中の決意に気がつくことはなかった。
さて、石碑の所で歌っているマーヴルの所に一人の女性が訪れる。「よろしいですか」と声をかけてきたのは、舞姫の衣装をまとったカレンだ。
マーヴル:では片手で、どうぞ、と指す。
GM:「先ほど歌っていた歌は何の歌なのでしょう?」
マーヴル:「叙事詩と呼ばれるもの。だがこれはただの叙事詩のまねごとにすぎない。僕はそれでは満足できない」
GM:「いい歌だと、思います。…私が言っても、おべっかだと思われるかもしれませんね」 と言ってくすりと笑います。
マーヴル:「何がかな?」
GM:「いえ」と言って、顔を下げ「私はいままでずっと、父と母の仇を討ちたいと思って生きてきました。それ以外の生きる理由が私にはありませんでした。あなたにはすばらしい歌がある。あなたの体の中の、その封印の力を持った、さきほどの方、私がもらうわけにはいかないですか? わたしは、わたしにはもう生きている理由などありません。私はただ、父と母の仇が討てるのならば…」
マーヴル:「帰れ!」
GM:「お願いです!」
マーヴル:「帰れ! おまえに何がわかる。おまえに私の何がわかる」
GM:「何もわからないかもしれません。でも、望むなら、何でもします。私を抱きたいならば抱いてもいいです。お願いです、力を貸してください!」
マーヴル:ぱしん!!「…ふざけるな。もう帰ってくれ。おまえに語ることはもう何もない」
GM:彼女はうなだれて神殿へと帰っていきます。
「時過ぎれば憎悪さえも小さな思い出に変わる。嵐はいつか去るのだ」
「待ちたる時は来た。今宵こそ故郷に戻るとしよう」
GM:アプレシアさん、宿の部屋の扉がノックされます。
アプレシア:「ああどうぞ」
GM:「起きてらっしゃいましたか?」 カレンです。
アプレシア:「ああ、考え事があってね」 扉を開ける。
GM:彼女の目には泣いていた跡があります。
アプレシア:頭をかかえて、とんとん、と背中を叩いてやって、「何があった?言ってごらん?」
GM:「フロウに言うわけにはいかないし、あなたしか…思いつかなくて…」
アプレシア:「男に言えないこともある。座るといい」と言って水を渡そう。
GM:「私は先ほど、マーヴルさんの所に行きました。私に、あの人の中にある力をくれないか、と。でも断られてしまいました。しかしこのままでは父母の仇を討てません。それに、きっとフロウも死んでしまいます」
アプレシア:「今、勝てる見こみもないのに戦う気か?」
GM:「あの人は、そうしてしまうでしょう」
アプレシア:「何をいう。彼はそなたを守るためならば、何があろうともそなたの傍にいてくれよう? それに悲劇を止める上で、そなたにしかできぬことがあるのではないか? そなたは古王神殿の舞姫。「啓示を受けた」といえば村人も従うだろう。女には女の、子供には子供の、弱者には弱者の戦い方があるのだ」
GM:「私は、私にできることを…。それでいいのでしょうか」といいながら、泣き疲れて眠ってしまったことにしていいですか。
アプレシア:はい。
「待ちたる時はきた。今宵こそ故郷に戻るとしよう」
GM:まだ、村の中央から竪琴の音が響いています。
アプレシア:酒を一本持って、そこへ向かおう。

「甘やかなる言葉を弄する前に行動あるべし」
GM:アプレシア、あなたは村の中央へとたどりつきます。そこには、一柱の石碑に背をあずけ、吟遊詩人が竪琴を奏でています。
アプレシア:軽く手をあげる。何も言わずどかっと隣にすわり、酒を杯につぐ。「これが報酬なのだがな、歌をひとつ、歌ってくれぬか。良ければ、の話だが」


マーヴル:「私は吟遊詩人。求められれば歌うのみ」
アプレシア:「そう言ってくれると思ったよ。ああ、歌詞はなくていい。ただ、この話を聞いて曲を弾いて欲しいのだ。もし歌詞が心に浮かんだのなら、歌ってほしい。

とある兵士がいたのだ。その兵士は心根はひどく優しく、けれど戦場では勇敢でなくてはならなかったから、心をごまかすために、勇敢になる為の薬を飲み続けていた。…その兵士のいる所では、女はただ戦士を産むための道具でしかなかったのだが、その男は女を愛した。やがて子供ができ、幸せに暮らしていたが、ある日、薬の覚め切らないうちに家に戻ってきて、妻を殺してしまうのだ。薬から覚めた時、男は自殺してしまった。ただ子供だけが生き残ってしまったのだがな。

だが、殺されるに至っでまで「この人を憎まないで」と叫んだ女の心情はどういうものなのだろうか…。聞きたいのだ」と言ってひざに顔をうずめる。
マーヴル:その話をきいて竪琴を奏でようとするが、一音奏で、二音奏で、しかしその音をやめてしまう。
アプレシア:「つまらない題材だったか?」
マーヴル:「その子供というのは君のことだろう?」
アプレシア:「うん。そなたに言われて、君に腹を割らなければと思ったときに、そういえば久しく自分自身にも腹を割ったことがなかったと思った。だから自分の事、今までの事を考えてみた。そして気づいたのだ。父と母の生み出したものは私一人だということを。けれどその私も、このざま。子を産むこともなく、いずれ戦の地で骸と化そう。あれだけ愛し合った父と母がこの世に残した私が、何も愛しさえせずに死んでいく。こんな無駄なことがあろうか。だが、もし、詩人がこの話を誰かに聞かせてくれれば、残るではないか。父母の思いが、この世に…」
マーヴル:突然、ぽろんぽろんと音を奏で始める。とても、それは明るいメロディーです。その音が君に語りかけてきます。君に笑って欲しい。そう、これは明るい歌。とても明るい歌。
アプレシア:笑おうとして…涙をこぼす。
マーヴル:「…笑ってはくれないのか?」
アプレシア:「笑いたいのだが、ためていたものが先に出たらしい」と言って、涙を流し、泣き笑いする。「詩人とはいいものだな。歌とはいいものだな。おや、歌とは詩だったか?いかんな、学がないものは」
マーヴル:「…こわいんだ」
アプレシア:「え?」
マーヴル:「僕も、とてもこわくて、こわくてしょうがないんだ」
アプレシア:「こわいに決まっている。あれだけ愛し合った父と母がこの世に残した私が、何も愛しさえせずに死んでいく。こんな無駄なことがあろうかな。だから、それだけ、そう、歌というものを持つそなたが消えうせるのがね、もったいないと私は思ったのだよ」
マーヴル:「ちがう。こわいのは、僕なんだ。一年前、あの日、あの時。あの医者に、君の命はもう長くはない、と言われた。その瞬間、天地がひっくり返ったような、そんな衝撃を受けた。そう、2年前のあの日だった。父も母も、突然死んだ。僕が介護をしていて、彼らを助けることもできず、彼らはただ息を引き取った。僕はこわい。彼らと一緒の場所に行くのが」
アプレシア:「行きはせぬ」
マーヴル:(震える声で)「でも、でも僕はこわいんだ!」 泣き出します。
アプレシア:思わず、抱きしめる。「単に戦うということが、こんなに簡単で、しかも無力なものだとは思わなかったよ。あなたに会うまでは、マーヴル」
マーヴル:「僕はどうすればいい? 何をすればいいんだ」 アプレシア:「そうだな。…私に歌をきかせるというのはどうだろう?」
マーヴル:「…どのような歌?」
アプレシア:「私は歌などそんなに聞いたことがないから…。なにしろ宮廷などで護衛をしていても、右から左に流れるだけでな。だが歌も知らないような、こんな手のかかる女が目の前にいるんだ。簡単に死ぬのは良くないのではないか。…何をいってるんだ私は」
マーヴル:(笑)。ではその言葉をきいて、いきなり笑い出す。「ははは、確かにそうだな」
アプレシア:顔面紅潮する。
マーヴル:「君のような女性が目の前にいるのだ。生きることをあきらめることは、ないのかもしれないな」また竪琴を奏で始めましょう。
「甘やかなる言葉を弄する前に行動あるべし」
GM:その夜、遅くまで竪琴の音が村の中を響いていった。

 戦いのとき

― 三日目 ―

GM:さて、次の日です。全員、手札補充をしてください。(※1)

て、誰から始めましょうか? マーヴル:僕は一番最後に起きます。できれば、「内なる他者」と話し合う時間を持ちたいのですが。

GM:では。
「我は見つめるもの。汝の生き様とくと見届けよう」
GM:夢の中、あなたは一つの鏡の前に立っています。鏡の前にいるあなたは、鏡に映った「あなた」があなたでないことを知っています。鏡の中の「あなた」は、あなたに対してすまなさそうな顔をしています。何か言おうとしているのですが、それは言葉になりません。
マーヴル:「もういいよ。もういい。僕は決めたんだ」
GM:「何を?」
マーヴル:「僕はたしかに死ぬかもしれない。だけど、今は、他に生きたいと思うモノをみつけたから。僕は生きる努力をすることにする」
GM:「じゃあ…」
マーヴル:「…ああ。僕は戦ってみせる。やつとも、君とも、そして、自分自身とも」
GM:彼は「ありがとう」という。カードを1枚あげよう。「余計なことかもしれないけど、ひとつだけ言わせてくれ。僕は、あの時、生き残れなかった。お願いだ、君は、君は絶対に生き延びてくれ」
マーヴル:「…あとで話そう。全てが終わったあとに」
GM:「ああ、そうだな」
「我は見つめるもの。汝の生き様とくと見届けよう」

GM:ではフロウリー。カレンは「私は私の戦い方をすることにします」と書置きをして、村長のところに行っていた。あなたが村長のところに行くと、活発に議論している彼女の姿が見える。
フロウリー:ん? とりあえず村長に声をかける。「い、一体?」
GM:村長は当惑した顔をしてあなたの方を見る。「カレン殿がおっしゃるには昨日、神託を受けたとおっしゃるのです」
フロウリー:「神託? 本当なのか?」とカレンの方を見ましょう。
GM:カレンはうなずいて、「ええ。「全ての村人は二日の間、この村から立ち去るように」と神託があったのです。「そうしなければ、この村に大いなる災いが降りかかるだろう」と。村の人々に触れ回るのは私も手伝えます。村長どの、手分けをしましょう」と実務的な話を彼女はします。フロウリー、夢歩きをしてください。積極的に動く彼女を初めて見た、というその驚きの夢歩きです。

「語り残さん。これら全てが夢で終わらぬ為に」
GM:あなたの中の彼女は、あなたの母であり、やさしかった姉であり、愛らしい妹であって、決してこんな実際的な行動をするはずはなかった。あなたの中で少しだけ、不安のざわめきが心の中を走る。
「語り残さん。これら全てが夢で終わらぬ為に」
「フロウ。ぼさっとしてないで手伝って頂戴。村の人に触れ回ってこなければ」
フロウリー:「あ、ああ、そうだね」

GM:その頃一方、宿屋で目を覚ましたアプレシアは、枕もとに「私は私の戦い方をすることにします」というカレンの書置きを見つける。外を見ると、村人が避難をしていく様子が見える。
マーヴル:ようやく目覚める。「おはよう、アプレシア」
アプレシア:「あ、ああ、おはよう」
マーヴル:「どうしたのかな、外は? 何か騒がしいようだけど」
アプレシア:耳打ちをする。「昨日彼女にこれこれこうと、勧めたのだ」
マーヴル:「なるほど。その方が被害が出なくて良いかもしれないな」
GM:村人は避難を始めたが、村には誰が残りますか?
マーヴル:僕達とカレンの四人かな。
フロウリー:「村長は、村人達と村を離れておいてください」
GM:そうだね。カレンは「私達は古王神に報告しなくてはなりません。先に村の人たちを誘導して避難していてください。明日の晩、日が沈むまで決して戻ってこないように」と村長に念を押している。
フロウリー:村長さんに別れ際に「これを」といって、ノートを渡しておく。「あなたにだけは真相を知っておいてもらった方がよさそうだ」
GM:わかりました。「詩人殿。あなたも村を出られるのでしょう?」
マーヴル:「いや。私は去るわけにはいかないのです。僕も戦う決心をしたのです」
フロウリー:それを見て、目をぱちくりとさせる。「おや?」
GM:「マーヴルさん、ありがとうございます」とカレンは頭を下げる。「すみません。最後に少し、フロウと二人だけで話をさせてくれませんでしょうか?」
マーヴル:では、席をはずす。
フロウリー:「カレン。君は、思っていたよりも大きな声でしゃべるのだね」
GM:「フロウ」
フロウリー:「うん」
GM:「フロウ。今まで、私なんかにずっと付き合ってきてくれてありがとう」
フロウリー:「僕が君のそばにいたのは、僕がそう望んだからだよ。そして、これからもそのつもりだ」
GM:「でも、もういいの。フロウ」
フロウリー:「何故そんなことを言うんだい?」
GM:「あなたがここに残り、あの黒い馬と戦う決心をしたのは何のため? 私のため? 答えて」
フロウリー:「それは…」
GM:「あなたが昔言っていた、優しい母や姉がいた、あのあたたかい家庭を築くため?だとしたら、お願い。この場から帰って」
フロウリー:「何故? 君とその「あたたかな家庭」を築く事が、僕の夢だ」
GM:「私はそれにふさわしい女ではないの。…私は昨日マーヴルさんに、私に力を貸してください、力を貸してくれるなら何をしても…抱いてもいい、そう言ったの。あなたは幸せな家庭を築けるような、そんな女性が欲しかったのでしょう? 私はそれにふさわしい女ではない。あなたの望んでいるような女ではないの」
フロウリー:「…君がそんなこと考えてたなんて…。…わかった。カレン、君が僕とのことを考えてくれたように、僕も今の君を僕自身どう思っているのか、これからどうしたいのかをもう一度考えてみるよ。だから、この戦いが終わるまで時間をくれないか。君は考えて出した結論かもしれないけれど、僕はそんなこと考えたこともなかったのだから」
GM:「じゃあ、絶対、この戦いで死ぬわけにはいかないわね」と少し笑いながら彼女は言う。

GM:さて、マーヴル。内なる者が話かけてくる。「マーヴル、協力してくれるんだね。それなら私は自分の力を使うことに全てを注げる。体は、君にまかせる」
マーヴル:「わかった」
GM:他に夕方までに何かしておくことはありますか?
アプレシア:呪文の《剣の強化》の効果は?
GM:《剣の強化》は剣の効果値が増えます。
マーヴル:僕の剣にもかけて。
GM:前に出るの? でも君が死んだらこの戦闘終わるよ (笑)。
マーヴル:そうか、前線にたったら駄目なんだ(笑)。
アプレシア:では《剣の強化》をかけます。 フロウリーの剣にもかけよう。成功。
アプレシア:あと「相談」でカード交換をしたいな(※2)。「いろいろ迷いはあると思うが…何かが残るはずだから」といってマーヴルにカード(白の通火)を渡す。
マーヴル:「僕は、昔こう思っていた。「死は正しき終わり」と。だが、今はそれに抗うことを憶えた。前を向いて、歩こう」カードを渡そう。
アプレシア:恥ずかしそうに手をにぎろう。
マーヴル:「君は僕にとって最後の希望なんだ。だから、君も必ず生き残って」

GM:では、夕暮れ。日が沈んでくるにしたがって、村のはしの方から馬の蹄の音が響いてくる。マーヴルの瞳が金色に輝き、あなた達の周囲があたたかな光に囲まれるのを感じる。《太陽の召喚》の効果です。
馬の蹄の音がだんだんと大きくなっていき、そしてあなた達の前で立ち止まる。「逃げろと言ったのだが。逃げるのではなく、立ち向かうのだな」
フロウリー:何も言わずに両手で剣をかまえましょう。
マーヴル:「…ああ、そうだ」
アプレシア:「まあ、そういう事になった」


GM:では、アクションシーンです。カードを補充します。この時点で7枚あるはずです。「夕闇を走る者」は、本来行動値18なのですが、《太陽の召喚》で今は8になっています。
さらに。毎ターン最初に山札からカード2枚分のダメージが自動的に馬にかかります。このラウンドの自動ダメージ「かすかな傷(演出)」「武器が飛ぶ(演出)」・・・あまり意味がないな。それでは、どうぞそちらの攻撃。ちなみにこちらの行動値は8。
マーヴル:15。
フロウリー:13。
アプレシア:12。
マーヴル:では「応援」します。「君の姫を、守るのだろう?」(と言って、フロウリーにカード渡す)
GM:舞姫の行動値は14だ。舞姫は、短弓を構えた。
フロウリー:全力で攻撃。大きな馬なので、ひざまでしか届かないだろうけど(笑)。11なので、カード使って成高度を1段階あげます。
GM:では効果値+1でダメージどうぞ。
フロウリー:《剣の強化》がかかっていて、両手持ちだから、ダメージ6枚。ダメージは「生命力―10」「手札を1枚減らす」「武器損傷」「精神力―8」「手札―2」「夢歩きする」
GM:武器損傷は、代わりに精神力―1とします。鎧を抜け、相手の皮膚に少しだけかすり傷がついた。血がうっすらとにじむ。魔族は何か夢を見ているらしい(笑)
フロウリー:追加行動で攻撃。カードを出して、ふたまわりさせます、達成値は28!。ダメージは全部山札からお願いします。 GM:「貫通」が出た。「相手の反撃、効果値2」これは演出だから打ち消せません。「生命力―7」「生命力―10」「攻撃側手札を2枚へらす」「相手の手札1枚奪う」。
さすがに28は回避できないな。剣の一撃は深々と相手のひざに食い込み、相手は口から血を少しだけたらす。相手の反撃は…「髪がちぎれる、ダメージなし」「一歩後退」です。次。
アプレシア:剣をふるう。達成値18。ダメージは、4枚。
GM:「胃袋に命中、精神力―5」「防具の吸収値―1」「判定に失敗したら気絶」…気絶はしない。
マーヴル:え、そうなの?
GM:「手札―2」、代わりに精神力―2ですね。
マーヴル:あ、次の山札が赤だ。
アプレシア:追加行動、攻撃。達成値18。・・・しょうがない、全て山札からめくってください。
GM:「精神力―20」「精神力―1」「生命力―8」「攻撃側の武器が折れて相手に突き刺さる、効果値3」武器に縁故ありますか?(※3)
アプレシア:ないです。
GM:武器が折れます。
アプレシア:ぎゃああああ。 GM:でも効果値は3増えるよ。「生命力-15」「精神力―4」「生命力―13」
アプレシアの剣が折れる。その破片が突き刺さり、黒い馬は深々と傷を負った。獅子の戦姫の剣が折れて深々と突き刺さるっていうのはビジュアル的にカッコいいのでそのまま通しましょう。
マーヴル:次のターン、僕の細剣を渡すよ。
GM:精神力ダメージ、計40か。この馬、生命力じゃなくて精神力の方で倒れるかもしれない(笑)。では馬の行動。…困ったな。情けない台詞を言わなくてはいけない。全員8で意志力抵抗してください(笑)。 マーヴル:8? 成功。
フロウリー:6ゾロで、19までいってしまいました(笑)。
アプレシア:成功。
GM:では次のターンです。カード1枚づつ補充します、そのまえに呪文の自動攻撃。「生命力―5」「転倒」転倒はしなかった。
マーヴル:「アプレシア、これを受け取れ」 「応援」で、カードを渡す。そして、細剣を投げ渡す。
GM:細剣は、長剣技能では使えませんが。
マーヴル:え、本当?
GM:では長剣技能の半分を技能値として使って下さい。(※4)
じゃあ舞姫、弓撃ちます。魔法カード使って叫びます。「父の仇〜!」,」当てた方がいいよね,マスターの手札使って命中。カードを2枚めくります。
「叙事詩の一撃。生命力―50」 「貫通」っておい。
マーヴル:おお、きた!…って、。ちょっと待て!
GM:…ちょおっと待ってくれ…。NPCがとどめさすのか〜…。
マーヴル:仇がからむ人は強いね〜。
フロウリー:これはこれで格好いいだろう。NPCがやってもいいと思うよ。 GM:…じゃあこうしよう。「父の仇〜!古き神々よ、私に力を貸して!」と言って矢を撃った。たぶんこの台詞がカギだね。矢が深々と突き刺さったかと思うと、空から雷が振ってくる(笑)。
フロウリー:おお! すごい。(※5)

GM:気がつくと、相手は消え去っていた。さて、マーヴル。手札、何枚あります?
マーヴル:5枚。
GM:馬が姿を消したとき、あなたは、自分の中から何か強い力が抜け出そうとするのを感じます。内なる者が去るときに、カード10枚分のダメージを受けます。なお、手札扱いで他の二人からカードをもらっていいです。
マーヴル:10枚分!
フロウリー:すまん、ハゲてくれ。(と言ってカードを渡す、カードのダメージ欄:髪が飛ぶ) GM:ちょっとくらい血を吐いた方がかっこいいんだけどな。
マーヴル:とりあえず、「数本ひきちぎられて飛んでいく。ハゲにはならない」(笑)。ダメージは「数本髪がひきちぎられて飛んでいく」「みぞおちにあたる。目標値10で失敗だと気絶」(ころころ)失敗(笑い。)
GM:「精神力が1減る」「武器落とす」「精神力―6」「指の骨が折れ、以降全てにペナルティー3」「肋骨を骨折。生命力―3。手札を1枚捨てる」「貫通」「手札ー1」手札は減らさなくていいです。なんとか生き残れましたね。


(※1)手札補充のタイミングはシーンの切れ目、となっています。とりあえず毎朝は必ず補充されると思って良いです。実際のプレイではPCが自発的に休息を取ることでも手札は補充されることにも注意してください。カード補充は頻繁に行ったほうがゲームはうまくいきます。
(※2)相談でのカード交換は重要なルールです。
(※3)武器に縁故があれば、折れるかどうかの判定が出来ます(語り部の書参照)。
(※4)似た武器の場合半分の技能値で使用できます。
(※5)叙事詩に残る一撃なのだからこれぐらい派手な描写でも良いような気はします。

エンディング

新たな一歩

(フロウリーのエンディングの夢歩き)
「答えを求めるのは愚かさのしるし。ぬくもりはすでに我が腕のうちにあり」
フロウリー:カレンに近づいて、「終わった、ね」
GM:彼女は弓をかまえたまま呆然と、「終わった、終わったのね」とつぶやく。そして、弓をからんと落としてあなたに抱きついてくる。「今あの時の返事を聞いてもいい?」
フロウリー:「カレン。僕は恋愛に、優しく温かかった母さんを求めていたのかもしれない。どうやら僕は、君の言葉を何一つ、本当の意味で聞いたことがなかったようだ」
GM:「フロウ。たぶん私達はまだ何十年と生きていくわ。私の言葉を今まで何一つ聞いてこなかったというのならば、これから、私の言葉を聞いてくれたらいい」
フロウリー:「うん。本当に君になんていったらいいのか…」
GM:彼女は君の口をふさぐ。今、あなたははじめて本当の彼女に触れたような気がする。
「答えを求めるのは愚かさのしるし。ぬくもりはすでに我が腕のうちにあり」

(アプレシアのエンディングの夢歩き)
「見た目どおりとは限らない。しばしば真実は別の場所にあり」
GM:マーヴルが、ゆっくりと目が覚めます。目の前に、アプレシアの顔があります。
アプレシア:「…今私は泣いているぞ。どうしてくれる? 死んだのかと思った」
マーヴル:では、彼女のことを抱きしめましょう。
アプレシア:泣きながら、私も彼をぎゅっと抱きしめる。
GM:ほとんど表情を変えることのなかったアプレシアの顔が、いまは涙で濡れています。予言された運命、これは解決されましたか?
アプレシア:はい。
「見た目どおりとは限らない。しばしば真実は別の場所にあり」

(マーヴルのエンディングの夢歩き)
「見つめること、伝えることが、吟遊詩人たる我が使命」
アプレシア:手元の剣を見て、「…教団の剣は、獅子の牙は折れてしまった。…どうしてくれる?」
マーヴル:「君には僕がいるし、僕には君がいるよ」
アプレシア:「…二度とこんな窮地には出くわしたくない。おまえが倒れたとき、心臓が止まるかと思った」
マーヴル:「僕は死なないよ。君のために」そして、彼女を抱きしめる。

「見つめること、伝えることが、吟遊詩人たる我が使命」

―――END―――